民間セクター事業

民間セクター事業

アフリカ経済の拡大に伴い、現在インフォーマル雇用の90%を占める民間セクターの重要性が、特に工業部門で増す見通しです。民間セクター開発は、当行の10ヵ年戦略の5つの優先分野のうちの1つであり、持続可能かつインクルーシブな経済成長の原動力であることはすでに国際社会で広く認識されています。

当行が考える民間セクターのオペレーションは、貧困削減と持続可能な成長という当行の最終的な目標の下で、起業や投資、経済成長につながる開発という概念的枠組に基づくものです。ADB(当行グループ内の準商業ベースまたは商業ベースでの融資等を提供する組織)は、直接融資、クレジットライン、貿易金融ファシリティ、資本・準資本参加、財政的に健全で有望な民間企業に対する保証供与、地域統合を促進する多国間プロジェクトなどを通して、全域内加盟国における民間セクタープロジェクト支援に使われています。


当行の民間部門事業は、域内加盟国が国家統制経済から民間主導型の経済へと移行する中でそれらの国を支援するという大まかな枠組において、民間セクターのニーズへの敏感な対応と適切な技術支援・資金援助の提供とを、確実に行う責任を負っています。


民間部門事業がこうした極めて重要な役割を担っていることは、当行のあらゆる政策文書の中にも明言されています。農業やインフラ、教育そして健康といったセクターの政策では、強固かつダイナミックな民間セクターの開発が、持続可能な経済成長と貧困削減に不可欠な要素であると認識されています。


こうした背景の下で、当行は民間部門事業に以下の主要な課題を課しています。

  • 民間セクター開発のための財政資源の動員において触媒的な役割を担う
  • 民間セクターの活動に関与する仲介者および受益者に技術支援を提供する
  • 中小企業に重点を置きながら、民間セクターの主体を支援するための適切かつ斬新なメカニズムを特定する
  • 域内加盟国におけるビジネス環境を改善すること、そして資金の貸し手と潜在的投資家の信頼感を高めることを狙った当行の他の活動を補完する
  • 農業と貿易金融に焦点を当てながら、アフリカでのグローバル・バリューチェーンを支援するためその立場を活用する

当行は2014年に、48件(国内34件、多国間14件)の新規民間セクター事業への融資、15億9,000万UAを承認しました。この額は、2013年の承認額である10億5,000万UAに比べて51.4%の大幅な増加です。承認額の51%は金融セクターに対するものでした。

これは、2013年に同セクターに対して承認された総事業の65.5%よりも相対的に低くなりました。計38.8%の承認額は、エネルギー・運輸事業関連を中心とする民間セクターのインフラ投資に対する融資でした。一方で、農業、社会、マルチセクター事業に対する承認はより少額でした。


また、最大の民間セクタープロジェクトとして、ナイジェリアでのダンゴート石油精製・肥料プロジェクト(1億9,470万UA)、および南アフリカでのTransnetの拡張プロジェクト(1億7,070万UA)を承認しました。

もう1つの大きな承認は、インフラ投資を国および地域規模で行うために民間セクターへの追加融資を媒介・動員する先進的融資手段である、アフリカ50基金への8,600万UAに上る資本参加でした。同基金は、2015年末には10億米ドル近くの資産計上を見込んでいます。


2015年の民間セクターに対する承認総額15億6,000万UAでは、金融事業への承認が最も多額で42.9%を占め、続いて多かったのがエネルギー(22.7%)で、残りは運輸事業(19.5%)、農業(10.2%)等でした。