インフラへの投資

アフリカ開発銀行の戦略事業の新たな方向性

当行のインフラ事業には、運輸、ICT、エネルギー、給水・公衆衛生が含まれます。インフラ設備の向上は、収入を生む活動へのアクセスを容易にし、雇用機会を創出し、特に女性・若者・社会的に疎外された人々の福祉を向上させることによって、インクルーシブな成長にプラスの影響を及ぼし得ると当行は考えています。


エネルギー、環境及び気候変動

アフリカでは今日、6億4,500万人以上の人々が電気のない暮らしをしています。また、クリーンな調理用エネルギーへのアクセスがない人々が7億人おり、バイオマス依存の調理に起因する屋内汚染で毎年60万人が亡くなっています。エネルギーセクターの弱点と電力不足はGDPの2~4%に相当すると推計され、経済成長、雇用創出、投資の妨げとなっています。2015年の当行グループの活動における重点分野の一つが、気候変動への適応およびその緩和への支援でした。

当行グループは、2025年までにアフリカの電化を実現し、アフリカ大陸の経済生産性をCO2排出と切り離すため、アフリカのエネルギー普及ための新政策「ニューディール」(New Deal on Energy for Africa)と、アフリカのためのエネルギー改革パートナーシップ(Transformative Partnership on Energy for Africa)を発表しました。

当行グループは、気候変動イニシアティブへの融資を2020年までに3倍の50億米ドル増額すると発表しました。2015年の気候変動に関するパリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追及するとの公約を掲げています。


運輸

2015年11月、当行グループは初のアフリカ開発銀行運輸フォーラム「統合されたアフリカのための持続的運輸(Sustainable Transport for an Integrated Africa)」を開催しました。2015年の当行グループにおける運輸セクター事業の承認総額は17億2,000万UAに上り、そのうち融資及び無償資金が15億8,000万UA(91.9%)を占めました。残る1億3,950万UA(8.1%)は特別基金による資金提供で、具体的にはアフリカ共同成長基金(AGTF)からのものです。

運輸セクターの承認額は、当行グループによる全インフラ事業の承認額30億8,000万UAの中で最大の割合(55.9%)を占めました。


エネルギー

当行グループは年間を通じ、他のアフリカの組織や国際的なパートナーと協力し、アフリカのエネルギーセクターにおいて主導的な活動を継続しました。当行グループのエネルギーセクターにおける承認額は計8億7,160万UAに上り、そのうち8億4,100万UA(96.5%)が融資及び無償資金の形式でした。残り(3,060万UA)は、資本参加、保証供与、そして特にEU・ アフリカインフラ信用基金(EU-AITF)とアフリカの持続可能エネルギー基金(SEFA)の特別基金を通じた融資でした。

エネルギーセクターの承認額は、全インフラ承認額の28.3%を占め(図3.6)、主要プロジェクトには、(i)ケニア・タンザニア電力相互接続プロジェクト(1億280万UA)、(ii)ウガンダ農村部電力アクセス・プロジェクト(8,020万UA)、そして(iii)ガンビア川流域開発機構(OMVG)エネルギー・プロジェクト(9,700万UA)などがあります。これらプロジェクトは、当該国のエネルギー需要を緩和するものと期待されています。


情報・通信技術(ICT)改革

情報・通信技術(ICT)の普及はアフリカ最大のサクセスストーリーの一つであり、インクルーシブな成長に資する大きな可能性を秘めています。当行の試算によれば、2020年までに携帯電話産業がGDPの8%を占め、660万の雇用と420億米ドルの歳入を創出すると見込まれます。

当行は、e政府、e-エデュケーション、e-ヘルスのプロジェクトにも等しく支援を行っています。レソトでは、2013年に開始されたe政府プロジェクトにより、50の村で10~15%の人々に対する公共サービスが向上しました。


給水および公衆衛生

アフリカの持続可能な経済的・社会的発展にとっての水の安全保障の重要性は、10ヵ年戦略にて強調されています。当行グループは2015年を通じて、都市部と農村部の両方における好ましい品質の水へのアクセス不足の問題に取り組んできました。

域内加盟国の給水および公衆衛生セクター発展のために承認された総額3億9,870万UA相当の事業を通じ、複数の国において生計を持続させることに貢献しています。