アフリカ開発銀行アデシナ総裁の来日:アフリカの経済変革に対する日本の支援に感謝を表明



アフリカ開発銀行(AfDB)のアキンウミ・アデシナ総裁は、日本政府からの支援と数十億ドルに相当する変革をもたらすパートナーシップについて賛辞を述べ、日本の支援によって特に顕著な恩恵を受けた分野として、民間セクター、エネルギー開発、インフラ開発を挙げました。

横浜で開催されたノーベル・プライズ・ダイアログ東京2018においてグローバルな食料・農業・開発の専門家として発言したアデシナ総裁は、アフリカの農業セクターは日本からの投資先として膨大なビジネスチャンスを秘めていると強調しました。また、「Transformation of the African Savannah Initiative (TASI) 」と数百万人の農家のための農業技術の普及を目指すAfDBの「 Technologies for African Agricultural Transformation (TAAT)」プログラムの 2つの新たなイニシアティブについて、戦略的重要性を強調しました。両イニシアティブは、アフリカにとって増大しますます高額となる輸入食料に係る貿易赤字削減を目的としています。

アデシナ総裁は、特に若い母親や乳児の十分な栄養摂取の重要性を強調し、アフリカにとって最も重要なインフラは、乳幼児の「頭脳インフラ」であると述べました。アデシナ総裁は、アフリカ全土で栄養不良をなくすためのイニシアティブ「African Leaders for Nutrition (ALN)」を主導しており、「子供達が栄養失調では経済発展は望めない」と語りました。

アデシナ総裁は今回の日本への公式訪問において、麻生太郎副総理や浅川雅嗣財務官を始めとする主要な閣僚やステークホルダーと会談を行い、共通の関心事項について協議しました。

会合では、日本政府とアフリカ開発銀行の長きにわたる緊密かつ友好的な関係を振り返り、日本の技術・専門知識をアフリカが活用できるようにする「日本・アフリカ エネルギー・イニシアティブ」を通じ、日本がアフリカのエネルギー関連プロジェクトに60億ドルの資金提供を約束したことに感謝を述べました。

アデシナ総裁は「日本・アフリカ エネルギー・イニシアティブ」について、アフリカ開発銀行と日本政府の特別な関係に加え、在京アフリカ各国大使それぞれの取組みとアフリカ開発銀行と各国大使との緊密な関係の産物であると表現しました。

さらに、アフリカ開発銀行が予定している一般増資によって、主にアフリカの低所得層が恩恵を受けることを日本政府に説明しました。

経済産業省、経済同友会アフリカ委員会、国際協力機構(JICA)及び国際協力銀行(JBIC)との会合において、アフリカ開発における民間セクターの参加拡大と新たな融資方法について説明を行いました。またアデシナ総裁は今後開催予定の投資フォーラムについて次のように述べました。「20181179日に南アフリカのヨハネスブルグで開催される『Africa Investment Forum (AIF)』が、アフリカのプロジェクトに資金提供を行う新たなアプローチの理想的なプラットフォームであり、アフリカ開発銀行とパートナー国際開発金融機関(MDB)は、融資可能なプロジェクト、投資、拡大するアフリカにおけるインフラへ投資のための機会等のプラットフォームを構築します。AIFは完全に取引のためのプラットフォームで、取引が具体化し、実行される場所です。私は、このプラットフォームがアフリカ随一の投資のための市場になるものと期待しています。」

また、中根一幸外務副大臣との会合では、アフリカ開発銀行はビジネスにおける日本とアフリカの繋がりを強化するため、2019年に横浜で行われる第7回アフリカ開発会議(TICAD VII)の共催に強い関心がある旨述べました。

さらに、在京アフリカ外交団が日本・アフリカ間のビジネスと投資の振興において果たしている卓越した役割についてアデシナ総裁は賛辞を贈り、「皆さまのご尽力により、日本とアフリカのビジネスの繋がりや相互理解がかつてなく強まっています」と述べました。

一方、多数のアフリカ大使が、アフリカのビジネス発展におけるアフリカ開発銀行の多大な支援に感謝を表しました。ジェローム・クロー・ウェア駐日コートジボワール共和国大使は、アフリカ開発銀行が2017年に行ったエール・コートジボワール(コートジボワールの航空会社)へのリファイナンスに対してコートジボワールを代表して謝辞を贈り、西アフリカ地域のビジネス機会に明るい未来が拓かれたと述べました。

 英語版はこちら (この文章は英語版の文章を元に、アジア代表事務所において翻訳、一部編集を行ったものです)

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