フォーラムについて

日本・アフリカ ビジネスフォーラム
(Japan-Africa Business Forum, JABF)とは?

今回が第3回目の開催となる「日本・アフリカ ビジネスフォーラム」は、在京アフリカ外交団(African Diplomatic Corps, ADC)の協力の下、アフリカ開発銀行(African Development Bank, AfDB)アジア代表事務所が主催するビジネスフォーラムです。日本およびアフリカの政府高官やビジネスリーダーが一堂に会し、アフリカにおける投資・ビジネス機会について議論するとともに、ビジネスパートナー候補を見つける機会を提供します。

第1回 日本・アフリカ ビジネスフォーラム(JABF2014)は、第5回アフリカ開発会議(The Fifth Tokyo International Conference on African Development, TICAD V)の1年後の2014年7月に、「アフリカで成功する―拡大し続ける成長と機会―」をテーマに、日本とアフリカのビジネスパートナーシップのさらなる強化に資することを目的に開催され、アフリカの官民両セクターより来日した約100名を含む1000名以上の方々にご参加いただきました。

第2回 日本・アフリカ ビジネスフォーラム(JABF2017)は、ケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)の1年後の2017年7月に開催されました。「アフリカの投資とビジネス機会」をテーマに、ビジネスの推進を通じたアフリカの経済開発などについて議論が行われ、知見の共有やネットワーキングの機会が提供されました。参加者は、日本および海外からライブ配信を視聴した約400名を含め、延べ約1,500名を数えました。

2021年に開催する第3回 日本・アフリカ ビジネスフォーラム(JABF2021)は、2022年チュニジアで開催予定の第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)を前に、「COVID-19時代に新しいアフリカを形作る」をテーマに、第7回アフリカ開発会議(TICAD 7)を機に―アフリカ関係者にとっては―高まってきた日本企業のアフリカビジネスへの関心とモメンタムをTICAD 8に向けて維持し、日本とアフリカ間のビジネス促進の機運を高めることにより、TICAD I7の成果を具体化し、TICAD 8への橋渡しとすべく開催します。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、 JABFでは初となるハイブリッド形式で開催します。

主催団体について

第3回日本・アフリカ ビジネスフォーラムは、在京アフリカ外交団の協力の下、アフリカ開発銀行アジア代表事務所が主催します。

アフリカ開発銀行アジア代表事務所 (African Development Bank, Asia External Representation Office, SNAR) について

アフリカ開発銀行グループ(AfDB)は2012年10月に、アフリカ域外では初となるアジア代表事務所を東京に開設しました。アジア代表事務所は、アジア地域の官民パートナーとの関係強化と対話の促進、対アフリカ投資・ビジネスの振興に向けた革新的取組、アフリカ大陸の投資・ビジネス環境に関する情報発信を通じ、AfDBの10カ年長期戦略及び5つの最優先分野(「High 5s」)に貢献することをミッションとしています。アフリカ開発銀行グループのアジア・太平洋地域における加盟国は、中国、インド、日本、韓国の4カ国であり、アジア代表事務所はこれらの国々との協力関係をより強いものにするために各種の活動を展開しています。さらにアジア代表事務所は、アジアでの開発の経験から得られた教訓をアフリカ諸国と共有しこれからの開発に生かすために、アジア・太平洋地域の様々な公的機関、国際機関と共働し、各種セミナーやイベントも提供しています。

アフリカ開発銀行グループHP(英語)
アフリカ開発銀行アジア代表事務所HP

アフリカ開発銀行開発の5つの最優先分野「High 5s」について

―アフリカ連合の「アジェンダ2063」と国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)との関連―

2015年9月、アフリカ開発銀行総裁に就任したアキンウミ・アデシナは就任演説の中で、アフリカ開発銀行グループが現在掲げている10ヵ年戦略に立脚した新たな方針を打ち出しました。その方針とは、①アフリカの電化②食料増産③工業化④地域統合⑤生活の質の向上、の5つの分野をアフリカ開発銀行が最優先に開発を進めていく分野とするもので、これを “High 5s” (ハイ・ファイブズ)と呼びます。これらの分野は、アフリカの人々の生活に変化をもたらし、ひいては国連が策定した持続可能な開発目標(SDGs)の達成にもつながるという点で、極めて重要な分野です。

アフリカ開発銀行は2013年に、2022年までの10ヵ年戦略を採択しました。その戦略の中で、変革を支援するための2つの目標として「インクルーシブな成長」と「グリーン成長への段階的移行」を、それを実現するための5つの事業実施上の優先事項として「インフラ開発」「地域的統合」「民間セクターの開発」「統治と説明責任」「スキルとテクノロジー」を、そして3つの特別重点分野として「脆弱国」「農業と食料安全保障」「ジェンダー」を定めました。High 5sの5つの最優先分野は、10ヵ年戦略の中核分野であるだけなく、10ヵ年戦略策定後に採択された「持続可能な開発目標」やCOP21で定められた枠組みとも密接に関連しています。また、アフリカ連合が開発目標としている「アジェンダ2063」が重視する分野でもあります。

JABF2021全体の開催概要

6月29日~7月1日、 7月6日~7月8日 6つのセッションのウェビナー

「COVID-19時代に新しいアフリカを形作る」というテーマの下、6月29日~7月8日の間の6日間にわたり6つのセッションのウェビナーを開催します。6つのセッションのうち5つは、アフリカ開発銀行の開発の最優先課題である5つの分野「High 5s」―「アフリカの電化」「食料増産」「工業化」「地域統合」「人々の生活の質の向上」―のそれぞれに焦点を当て、アフリカの最新の課題とビジネス機会について議論します。各セッションのより詳細なアジェンダは下記をご覧ください
(→各セッションのアジェンダへ)

各セッションは、パネル・ディスカッションと在京アフリカ外交団(ADC)セッションの2つから構成されます。前半の パネル・ディスカッションでは、アフリカ経済、開発アジェンダ、日本とアフリカ間のビジネス促進に精通したモデレーターと日本及びアフリカの官民セクター、国際機関、学界を含むパネリストによって、各分野において議論します。後半の第2部では、冒頭で各日のテーマについてアフリカ全体におけるビジネスの状況を概説し、在京アフリカ各国大使が自国の最新情報やビジネス機会を紹介します。

もう1つのセッションは、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)、国連工業開発機関(UNIDO)が共催し、近年欧米・アジア諸国と日本のビジネス界の注目を集めるアフリカのスタートアップ分野に焦点を当て、東西南北中央の各地域において革新的なビジネスモデルを有する5社の事業を紹介します。各企業による事業紹介の後、アフリカのスタートアップ・エコシステムに精通したコメンテーター・モデレーターとスタートアップ企業によるパネル・ディスカッションを行い、投資・協業の糸口を掘り下げ、日本企業とのパートナーシップを推進します。

6月29日~7月16日 3週間のオンライン・ビジネスマッチング

オンラインプラットフォーム上で3週間にわたり、日本企業とアフリカ企業が直接商談やネットワーキングを行うためのできるビジネスマッチングの場を提供します。

【各セッションのアジェンダについて】

セッション1: アフリカの電化

グリーンエネルギー:アフリカのゼロ・エミッション達成を可能にする

セッション1では、オフグリッド電化を含めたグリーンエネルギー拡大のビジネスチャンスと課題、グリーンエネルギーにおける日本の技術と経験、実質的なゼロ・エミッションに向けた民間企業の取り組みや公的部門の政策などについて議論します。

セッション2: アフリカの食料増産

フードバリューチェーン:包摂的、持続可能な、かつ強靭な食料システムの構築に向けて

セッション2では、アフリカの食料システムの課題への理解を深め、日本の民間セクターが保有する優れた技術、ノウハウ、日本とアフリカ間のビジネスの機会を明らかにし、どのように「アフリカの食料増産」に貢献することができるか議論します。

セッション3: アフリカの工業化

大きく跳躍するアフリカ:イノベーションの加速、競争力の格上げ、成長の再点火

セッション3では、コロナ禍におけるデジタル化と産業化、多様化を通じた産業構造の転換に関する課題と機会について議論し、先端技術の活用や産業構造の転換に関する政策の運用、具体的なビジネスの可能性を取り上げます。

セッション4:アフリカのスタートアップ

革新の大陸・アフリカ:躍進するスタートアップ企業と共に

セッション4では、アフリカのスタートアップ企業とのパートナーシップの糸口を探ります。安定した経済成長と人口増加を見せるアフリカは、世界各国からの投資家にとって魅力的な巨大市場として成長し、2020年のアフリカのスタートアップ(テック・デジタル分野)へのベンチャーキャピタル投資案件数(20万ドル以上の案件)は359件と、新型コロナウイルスの蔓延にもかかわらず、前年比44%増と大きく伸びました 。本セッションではアフリカの社会課題を革新的な技術と事業モデルで解決し、事業成長に期待が寄せられているスタートアップ企業の事業を紹介し、日本企業による投資、連携、協業の可能性について議論します。

セッション5: アフリカの地域統合

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA):単一市場として、国際貿易投資の最終目的地として、アフリカの潜在性を解き放つ

セッション5では、アフリカ大陸内における地域統合を深化させるための牽引役として、各種の方策を通じてAfCFTAを実際にどのように活用できるかについて議論します。更に、貿易金融や政策を策定する際の民間セクターの役割についても議論します。

セッション6: アフリカの人々の生活の質の向上

質の高い保健インフラ:ビルド・バック・ベター(復旧以上の復興を実現する)

セッション6では、アフリカの人々の生活の質の向上における開発課題への理解を深め、日本の民間セクターが保有する優れた技術・ノウハウ、日本とアフリカとのビジネス機会を明らかにし、どのように「アフリカの人々の生活の質の向上」に貢献できるか議論します。

アフリカ開発銀行開発の最優先分野である5つの分野「High 5s」の概要についてはこちら