政策対話「アフリカの新たなビジョン: 天然ガスに関するアジア・アフリカ間の協力- A New Vision for Africa: Asia-Africa Cooperation on Natural Gas -」の開催(結果概要)

アフリカ開発銀行(AfDB)は、5月16日に「アフリカの新たなビジョン: 天然ガスに関するアジア・アフリカ間の協力- A New Vision for Africa: Asia-Africa Cooperation on Natural Gas -」と題したウェビナーを開催しました。

アジアとアフリカの政府機関、民間企業、開発業界、アカデミアから140名以上が参加し、ロシアによるウクライナ侵攻により世界の食料・エネルギー価格が影響を及ぼす中、新たなビジョンを策定することを目的として、アフリカの天然ガス市場が直面している課題(長期投資の困難、気候変動リスク、エネルギー安全保障上の懸念、ネットゼロエミッションへの移行への課題など)への対応について議論しました。

AfDBアジア代表事務所次席の木下直茂は冒頭挨拶で、アフリカの天然ガス市場における、生産者、消費者、輸出者としての可能性を示し、昨今は液化天然ガス事業への大規模投資により、アジア・アフリカ間での技術移転が行われていると述べました。

 Raise Africa Investments Pty LtdのExecutive ChairpersonであるNosizwe Nokwe-Macamo氏は、アフリカにおけるエネルギー不足問題は、供給側と需要側の両者共に大きな課題があり、早急に安定した、安価なエネルギー源の確保する必要がある旨強調しました。

アフリカ石油生産者機構(APPO)事務局長のFarouk Omar Ibrahim氏は、資金調達と投資に対応するためのアフリカ地域のイニシアティブについて言及しました。

カイロに本社を置くエネルギー供給会社TAQA Arabiaのアフリカ担当副社長のAdly Kafafy氏は、アフリカ国内の天然ガスはアフリカ人の消費のために活用するべきであり、アフリカ各国と外部のパートナーが協力し、天然ガスの可能性を最大限引き出すために、強固なバリューチェーンを構築することが必要であると述べました。

AfDB電力システム開発局長のBatchi Baldeh氏は、アフリカのエネルギー移行を可能にする手段として天然ガスの役割を強調し、グリーン成長への移行(Green Transition)を支援するためのAfDBの戦略的ビジョンについて説明し、公共と民間の両方による投資を最大化または誘致する政策枠組みと規制環境の構築を支援していると述べました。

AfDBアフリカ天然資源投資管理センター局長代理のVanessa Ushie氏は、アジアからのエネルギー需要に対応するためのアフリカの短中期的な機会と、長期的な気候変動やエネルギー転換のリスクとのバランスを取ることを呼びかけました。

また、中国社会科学院のYongzhong Wang教授、韓国ガス技術協力のJong Kwon Lee氏、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の野口洋佑氏、中国石油天然気集団公司のRuquan Lu氏が登壇し、日本、中国、韓国の視点からの貴重な知見を共有いただきました。

2023年後半には、クリティカルミネラルをテーマにしたウェビナーの開催を予定しております。

 

原文はこちらをご覧ください(英語)。

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