ガバナンス・アカウンタビリティ
経済成長は、能力を備えた国家が管理する公正で透明かつ効率的なガバナンスおよび諸機関という強固な基盤なくして実現しません。公的機関が存在しないアフリカの国々は、インクルーシブな成長のための課題において成果を上げられずにいます。当行では、アフリカにおけるガバナンスと基本的サービスの向上に対する需要に応え、インクルージョン(包摂性)を支援しアカウンタビリティを促進する機関をサポートしています。
当行では、10ヵ年戦略の5つの最優先分野の1つとして、ガバナンスとアカウンタビリティへの介入に焦点を当てています。理事会では2014年5月に、ガバナンス戦略のフレームワーク行動計画2014-2018(GAP II)を承認しました。この戦略では、インクルーシブかつ持続可能な成長に向けた課題に取り組む能力を強化するために、強固で透明性があり説明責任を果たせる機関を域内加盟国に設立するとしています。
同戦略は、(i)公共セクターと経済管理(PSEM)、(ii)セクター・ガバナンス、(iii)投資・ビジネス環境、の3つの柱を中心にまとめられています。さらに、腐敗対策、ジェンダー、地域統合という分野横断的な3つの課題が、GAP IIの3つの柱と交差し、またそれらを支えています。GAP IIは、現地事務所を通じた域内加盟国での当行のプレゼンスと知名度を生かし、また国レベルでの政策対話・助言の促進により実施されることになります。
ガバナンス目標の促進に関して、「モザンビーク経済ガバナンスとインクルーシブ成長プログラム(EGIGP)」と「シエラレオネ・インクルーシブ経済管理プログラム」の両方を、当行は2014年に承認しました。これらは、インクルーシブな成長に対してプラスの影響を与えているガバナンス関連プログラムの例です。
2015年に理事会は、アフリカ大陸においてガバナンスとアカウンタビリティを強化すべく、10ヵ年戦略の目標を推進するための複数プログラムを承認しました。承認プログラムには、民間セクター支援機関の能力強化、民間のイニシアティブの促進、林業セクターのガバナンス向上を目的とする、コンゴの「投資環境と森林ガバナンスの支援プロジェクト(PACIGOF)」も含まれています。
理事会はまた、ギニアビサウにおいて確実かつ効果的に予算管理を行うに相応しい環境の構築を目的とする「緊急経済財政改革支援プログラム(PUAREF)」も承認しました。