南部アフリカ、中部アフリカ及び西部アフリカ経済見通しの発表

アフリカ開発銀行はアフリカ経済見通し(African Economic Outlook)に加えて地域毎の経済見通しを発表しています。11月上旬の東部及び北部アフリカ経済見通しの発表に続き、南部、中部及び西部アフリカの経済見通しを発表しました。

 

南部アフリカ経済見通し(Southern Africa Economic Outlook)では、13カ国(アンゴラ、ボツワナ、レソト、マダガスカル、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、サントメ・プリンシペ、南アフリカ、エスワティニ、ザンビア、ジンバブエ)の社会経済状況を分析しています。

南部アフリカにおいては、COVID-19 ワクチン接種キャンペーンやソーシャルディスタンス、マスクの着用などの感染対策を含め、全てがうまくいけば、2021年に3.2%、2022年に2.4%の成長が予測されます。

当行専門家は「貧困や不平等、失業率の増加など、南部アフリカの国々におけるCovid-19パンデミックの社会経済的影響の大きさは、強調しすぎることはありません」、「現在の感染率は低いものの、新たなCovid-19の波や変異体の脅威を考えると、状況は依然として流動的です」と指摘しています。

プレスリリース全文(原文)はこちらをご覧ください。

南部アフリカ経済見通し(英語)は、こちらをご覧ください。

 

中部アフリカ経済見通し(Central Africa Economic Outlook)では、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC)加盟6カ国(カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボン)及びコンゴ民主共和国の社会経済的状況を分析しています。

パンデミックは、中部アフリカの全ての国の経済成長を阻害しています。COVID-19以前は、治安上の問題や原油価格の変動により苦境に立たされていた中部アフリカ地域の経済は、原油輸出への依存度が高いことから、COVID-19 により大きなダメージを受けました。

石油収入への過度の依存により、この地域の石油輸出国は歳入減と大幅な経常収支赤字となりました。さらに、中部アフリカ地域諸国の債務残高は、平均で2019年の対GDP比48%から、2020年には55%近くまで上昇しました。この地域は、外部からの多額の資金提供に頼っています。

中部アフリカ経済見通し(英語)は、こちらをご覧ください。

  

西部アフリカ経済見通し(West Africa Economic Outlook)では、15カ国(ベナン、ブルキナファソ、カーボベルデ、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、トーゴ)の社会経済的状況を分析しています。

西アフリカでは、ナイジェリア1国で同地域のGDPの約3分の2を占めています。この地域の半数の国々は脆弱国に分類されており、COVID-19 による負担が数倍にも増して、開発、平和、社会的結束が損なわれる可能性があります。

西アフリカの経済は、より効果的なワクチン接種、政府の持続的な刺激政策、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速、リモートワークの促進により、2021年に回復すると予想されています。しかし、一次産品価格の下落、観光業の回復の遅れ、海外からの送金の低迷、資本移動や債務超過に悪影響を与えるような不安定な金融市場など、下振れリスクは依然として残っています。

西部アフリカ経済見通し(英語)は、こちらをご覧ください。

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