アフリカ開発銀行、日本における都市開発と気候スタディのミッションを主導
2024/11/5

写真:春日部市を訪問中の訪問団
2024年10月、日本における都市開発および投資計画の成功事例を学ぶため、アフリカ開発銀行グループ(AfDB)およびアフリカの政府代表や大臣から構成されるミッションが訪日しました。この訪問団は、AfDB本部、AfDBアジア代表事務所のほか、ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、ケニア、モーリタニア、モザンビーク、セネガルの7か国から政府代表や大臣も参加し、AfDBと日本の財務省および国土交通省の共催により実施されました。この訪問団は、東京、つくば、静岡、春日部を訪問したほか、国際協力機構(JICA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東京大学の国際水災害・リスクマネジメントセンター、東京都庁等とも面談を行いました。
上記の視察や面談を通じ、日本が長年に亘り津波や異常気象に対応した洪水管理に取り組んでいることが共有されました。また、より強靭な都市型水・衛生インフラの構築、災害リスク管理、水・衛生ガバナンスの推進、気候変動に適応した水・衛生対策の促進についても理解を深めました。
AfDBの野元隆章氏(日本等代表理事) は、「アフリカ各国が益々気候変動の影響を受ける今、この訪問は非常に時宜を得たものです。参加者はみな気候変動に高い関心を持ち、その対策に積極的です。アフリカでの課題に対処するため、知識移転、能力開発、技術ソリューションの導入につながるようなパートナーシップが今後生まれることを期待しています。」と述べました。
元外務大臣であり、国連2023年水会議の共同議長を務めた上川陽子氏は、 「七夕豪雨から50年が経ちました。日本は、静岡市葵区の巴川流域において洪水対策を実施しています。アフリカ7カ国の水関連ミッションがこの取り組みを学ぶため訪日しており、日本の洪水対策への貢献がアフリカで期待されています。」と述べました。
この訪問団は日本企業とも面談し、水供給・衛生サービス、インフラ開発、洪水規制・管理における最新技術とイノベーション、さらには民間セクターによる資金調達と開発の機会についても学びました。
急速に都市化が進むアフリカでは、気候変動によって課題が深刻化しており、適切な水・衛生インフラの整備が喫緊の課題となっています。例えば、2024年9月にセネガルで起きた洪水では4,500以上の家屋が損壊し、農村部を含む24以上の地域で少なくとも55,000人が被害を受けました。また、2019年には、過去最悪の熱帯低気圧の一つとされるCyclone Idaiがアフリカを襲い、モザンビーク、ジンバブエ、マラウイで大規模な被害をもたらし、1,500人の命が奪われました。
AfDBの水開発・衛生部門の暫定ディレクターであるMtchera Chirwa氏は、「早期警戒システムや洪水対策等の最新技術と専門知識が、将来のパートナーシップやプロジェクトの形成に大いに役立つと確信しています。AfDBの加盟国がこれほど積極的にミッションに参加したことは、アフリカの指導者たちが気候変動の脅威や影響に対し、持続可能な解決策を模索する強い意志を持っているということです。」 と締めくくりました。
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