2026年版「アフリカ・マクロ経済パフォーマンスおよび見通し(MEO)」報告書発表 ―世界的な逆風の中でもアフリカ経済の強靭性は堅調―
2026/4/8
アフリカ開発銀行グループは、2026年の成長率が4.3%で安定すると予測。中東情勢を含む外的ショックへの緩衝策として、財政規律と地域統合の重要性を強調。

2026年版「アフリカ・マクロ経済パフォーマンスおよび見通し(MEO)」報告書の発表に際する記念写真。中央はアフリカ開発銀行グループのシディ・ウルド・タハ総裁。周囲にアフリカ各国政府関係者、国際金融機関代表、同行幹部が並ぶ(2026年3月30日、アビジャン)。
地域的・世界的な逆風が続く中にあっても、アフリカは引き続き高い経済的強靭性を示し、世界の成長フロンティアとしての地位を維持している――これは、2026年3月30日(月)にアビジャンのアフリカ開発銀行グループ本部にて公表された、同グループの最新報告書「2026年版 アフリカ・マクロ経済パフォーマンスおよび見通し(MEO)」の主要な結論である。
同報告書によると、アフリカは2025年において世界平均を上回る成長を記録し、実質GDP成長率は2024年の3.1%から4.2%へと大きく上昇し、世界平均の3.1%を明確に上回った。
また、報告書の重要なポイントとして、アフリカの成長が「広範囲にわたる(broad‑based)」ものであることが挙げられている。22か国で成長率が5%を超え、うち6か国では7%を上回った。これは、インフレ圧力の緩和、マクロ経済運営の改善、良好な農業環境などに支えられたものである。
その他の主なハイライトは以下のとおり。
- ・アフリカの実質GDP成長率は、2026年に4.3%で安定し、2027年には4.5%へとさらに加速する見通し。
- ・2025年、世界で最も成長率の高かった20か国のうち12か国がアフリカ諸国であった。
- ・東アフリカは2025年も大陸で最も高成長の地域であり、GDP成長率は6.4%を記録。エチオピア(9.8%)、ルワンダ(7.5%)、ウガンダ(6.4%)の高成長が牽引した。
- ・アフリカの一人当たりGDP成長率は、2023年の0.9%から2024年に1.1%、2025年には1.9%へと上昇したものの、急速な貧困削減を実現するには依然として不十分。
- ・インフレ率は低下傾向にあり、2025年の平均インフレ率は13.6%と、2024年の21.8%から大幅に改善。2026年・2027年もさらなる低下が見込まれている。
- ・対内直接投資(FDI)は2024年に大きく回復し、75%超増加して970億米ドルに達した。
- ・海外送金(レミッタンス)も2024年に14%超増加し1,046億米ドルとなり、2023年の6%減を補って余りある回復を示し、ポートフォリオ投資を上回る最大の非債務性外部資金源となった。
報告書発表に際し、アフリカ開発銀行グループのシディ・ウルド・タハ総裁は、「世界が変化しつつある重要な局面にあり、それが必ずしもアフリカにとって有利とは限らない」と指摘した。地政学的分断の深まり、貿易摩擦、世界的な開発金融フローの減少といった厳しい環境を踏まえ、同行の「4つの重点戦略(Four Cardinal Points)」が極めて重要な戦略的盾であると述べ、「それぞれが、本マクロ経済見通し報告書で特定・定量化された課題に直接対応するものである」と強調した。
また、最近の中東情勢について、同総裁は「2026年版MEOの分析と予測は、現下の危機が始まる前に作成されたものである」としたうえで、国連開発計画(UNDP)を含むパートナーとともに、同危機がアフリカ大陸に及ぼす潜在的影響を現在評価中であると述べた。
続いて行われた詳細なプレゼンテーションにおいて、アフリカ開発銀行グループのチーフエコノミスト兼経済ガバナンス・知識管理担当副総裁であるケヴィン・ウラマ教授は、今回の危機が2026年のアフリカのマクロ経済全体に与える影響は限定的であるとの見解を示した。
「アフリカはこれまでも数々のショックを乗り越えてきました。パニックに陥らず、適切な政策手段を講じることができれば、回復する力を十分に備えています」と述べ、「今回の危機が3か月を超えて長期化した場合でも、2026年のアフリカの成長率を0.2ポイント押し下げる程度にとどまると見ています」と語った。
その後に行われた専門家パネルでは、同報告書の分析結果および、成長維持、金融システム強化、大規模な開発資金動員に向けた政策提言について議論が行われた。パネリストには、コートジボワールのスレマヌ・ディアラソウバ計画・開発大臣、リベリアのオーガスティン・クペヘ・ンガフアン財務・開発計画大臣、ジンバブエのムトゥリ・ンクベ財務大臣、レソトのレツェリシツォエ・マトラニャネ財務・開発計画大臣、ならびにIMFコートジボワール常駐代表のアミナタ・トゥーレ氏が登壇した。
パネリストらは、国内資源動員に関する改革の継続、とりわけ株式・債券などの国内金融市場の深化や、税収効率向上のためのデジタル化推進の重要性を強調するとともに、各国で進められている改革の成功事例を共有した。アフリカがこれまでに経験してきたショックから得られた教訓が、現在および将来の課題克服に資するとの認識が共有された。
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