T20本会合の開催:G20とアフリカ間の経済政策協調を提言
2019/5/30
G20の研究・政策提言ネットワークであるThink20(T20)の本会合が、5月26~27日、東京で開催されました。アフリカ開発銀行からは、カピル・カプール南部アフリカ地域総局長が出席し、発言の中で、ODAの減少傾向や非伝統的ドナーの台頭について分析しつつ、「アフリカの本当のニーズを考えるべきだ」との考えを示しました。
カプール総局長は、債務持続性に関し、様々な政策提言を行いました。その中には公共投資プログラムについての提言も含まれ、投資のリターンがきちんと得られるように、インフラプロジェクトの質の向上、調達、財政といった分野でアフリカに技術支援を行うことをG20諸国に対し提案しました。カプール総局長は、「どのようにインフォーマルセクターをフォーマル化するか、どのようにすれば民間企業がフォーマルセクターに移行するインセンティブを与えることができるか、こういった課題が、より良い税務行政を考えていく上で鍵になる」と述べ、国内資源の活用を強化していくべきとの考えを強調しました。
また、アフリカへの民間投資に関するハイレベルでの議論において、外務省の紀谷TICAD大使に対し、日本の民間企業にとってアフリカ・インベストメント・フォーラムの活用が有効である旨説明しました。
T20は、6月のG20大阪サミットに向けた革新的な政策提言を盛り込んだコミュニケを発出しました。「持続可能・包摂的・強靭な社会の実現に向けて」と題されたこのコミュニケは、河野太郎外務大臣に手渡されました。カプール総局長は、タスクフォース5(アフリカとの協力)における共同議長としてT20プロセスに貢献しました。
アフリカ開発銀行グループは、T20サイドイベントとして、アフリカの経済見通しや債務持続性をテーマとするナレッジイベントを5月28日に都内で開催し、民間セクター、シンクタンク、大学、政府等から80名以上が参加しました。このナレッジイベントでの発表資料は以下からダウンロードできます。
「African Economic Outlook 」アフリカ開発銀行南部アフリカ地域総局長カピル・カプール
「African Economic Outlook & Debt Sustainability」 JICA研究所チーフエコノミスト中田亮輔様