モロッコ向け新型コロナウイルス感染症対策支援における国際協力機構(JICA)との協調融資
2020/12/17
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、アフリカの社会・経済は大きな影響を受けています。2020年7月に当行が発表した2020年版アフリカ経済見通し補足文書の中では、アフリカ全体の経済成長率は過去25年間で初めてのマイナス成長 (ワーストケースの実質GDP成長率はマイナス3.4%の予測)と見込まれています。
モロッコも、2020年12月初旬時点でのCOVID-19累計感染者数が約38万人となっており、感染者数はアフリカ大陸の中では南アフリカ共和国に次いで2番目に多い状況となっています。2020年版アフリカ経済見通し補足文書によれば、当初は3.7%の経済成長が見込まれていましたが、観光業や製造業などの落ち込みを受け、GDP成長率はベースラインではマイナス3.3%、ワーストケースではマイナス4.6%と予測されています。
このような状況の下、アフリカ開発銀行と国際協力機構(JICA)は、モロッコ政府が取り組むCOVID-19危機対応のために協調融資を行います。本協調融資は、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアチブ(EPSA: Enhanced Private Sector Assistance for Africa)」の下、行われます。当行の融資(上限2億6400万ユーロ)は2020年6月9日に、JICAの融資(上限2億米ドル)は同12月2日に、それぞれモロッコ政府と融資契約が調印されました。
当行とJICAによる協調融資は、ウィルス検査医療機関の拡充等を通じた保健医療体制の強化、インフォーマルセクターに従事する430万世帯及びモロッコ社会保険庁(CNSS)に登録された80万人の労働者に対する政府支援を通じた社会保障制度の拡充、自営業者の資金アクセスの改善、零細・中小企業の流動資本の強化等を通じた民間セクター向け支援等に活用されます。
当行及びJICAによる関連プレスリリースは以下をご参照ください。