「Exploring the Role of Guarantee Products in Supporting Local Currency Financing of Sustainable Off-Grid Energy Projects in Africa」(アフリカにおける持続可能なオフグリットエネルギー・プロジェクトに関する現地通貨建てファイナンスを支援する上での保証商品の役割に関する調査)報告書の日本語訳の公表
2022/10/4
アフリカ開発銀行アジア代表事務所では、当行の取り組みをアジアの皆様に広く知っていただくため、当行出版物のアジアの言語への翻訳を進めています。このたび、「Exploring the Role of Guarantee Products in Supporting Local Currency Financing of Sustainable Off-Grid Energy Projects in Africa」(アフリカにおける持続可能なオフグリットエネルギー・プロジェクトに関する現地通貨建てファイナンスを支援する上での保証商品の役割に関する調査)の日本語訳を作成いたしました。
本報告書は、オフグリッドエネルギーと現地通貨建てファイナンスに関する詳細な調査、また、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、チュニジアの商業・産業・ミニグリッド分野におけるエネルギー関係者へのインタビュー結果をまとめております。本報告書は、アフリカにおけるオフグリッドに関する再生可能エネルギー・プロジェクトやビジネス向けの現地通貨建てのファイナンスは有用である一方、未だに限定的であることを示しております。
アフリカでオフグリッドに関する再生可能エネルギーソリューションに投資する企業は、現地のファインナンス提供者がその信用リスク評価に対して厳格であるため、限定的な資金アクセスを余儀なくされております。従い、これら投資企業への資金提供があった場合においても、高金利でファイナンスを活用せざるを得ない状況にあります。
他方、アフリカでのオフグリッドに関する再生可能エネルギー・プロジェクトやビジネスにおいて、現地通貨建てファインナンスを利用することは、為替(FX)リスクを軽減する上で、潜在的なメリットがあると考えられます。太陽光を活用したサービス(「サービスとしてのソーラー」)提供者やリース業者の出現により、アフリカにおける持続可能なエネルギー・プロジェクトを実現するための現地通貨建てファイナンスの利用可能性を評価したり、デベロッパーが現地の金融・資本市場を活用する際の障害を緩和するためにも、信用補完商品の必要性が高まっています。
当行の再生可能エネルギー・エネルギー効率化担当局長代理(当時)のダニエル・シュロス博士は、2020年11月25日に行われた本報告書のオンライン発表会にて、「現地金融市場と連携して現地通貨建て長期資金へのアクセスを提供することにより、借り手は通貨リスクと金利リスクを軽減できます」と述べました。
各国は、再生可能エネルギーや低炭素技術を導入して化石燃料への依存度を下げつつ、家庭や企業におけるエネルギー供給能力を高めるという、2つの課題に直面しています。しかし、本報告書は、現地通貨建てのファイナンスを提供する金融機関は、既存の企業に対する伝統的なバランスシート上の融資以外では、商業・産業部門への投資意欲が限られていることを示しております。
当行は、「アフリカのための持続可能なエネルギー基金(SEFA)」を通じて、アフリカにおける分散型エネルギーアクセスソリューションの展開を拡大すべく、投資を促進する解決策を積極的に模索しています。
当行のエネルギー金融ソリューション・政策・規制局長のワレ・ショニバレ氏は、「アフリカのオフグリッド分野への現地銀行や資本市場の参加は、未だに限定されています。アフリカのエネルギー市場において現地資本を活用することは、オフグリッド・ソリューションを展開するデベロッパーにとって重要です」と述べています。
本報告書は、アフリカにおけるオフグリット分野への民間投資の促進を目的に、オフグリッドエネルギー・プロジェクトやビジネスの現地通貨建てファイナンス検討に有益となる、各種情報、分析、インサイトを提供しています。
本レポートの日本語及び原文(英語)は以下のリンク先からダウンロード可能です。
● アフリカにおける持続可能なオフグリットエネルギー・プロジェクトに関する現地通貨建てファイナンスを支援する上での保証商品の役割に関する調査