日本、アフリカ開発基金に516.7億円の円借款を供与 -アフリカの後発開発途上国や脆弱国における開発を推進するための追加的な資金

(写真:左から、JICA宮崎副理事長、財務省藤井副財務官、アフリカ開発銀行アデシナ総裁)

 

2024年10月15日、アフリカ開発銀行グループと国際協力機構(JICA)は、アフリカ開発基金向けの516.7億円(約4.21億米ドル)の円借款貸与契約に調印しました。

同融資は、2022年12月に開催されたアフリカ開発基金第16次増資会合(ADF-16)の際に日本政府が約束したもので、アフリカの後発開発途上国や脆弱国における開発を支援するために使われます。日本はアフリカ開発基金のトップドナーであり、第14・15・16次増資において最大金額を融資しています。

10月15日の調印式に出席した財務省の藤井副財務官は、「アフリカ開発基金は、アフリカの低所得国の支援において重要な役割を果たしている。日本は、来年のアフリカ開発基金第17次増資会合(ADF-17)においても協力したい。日本の譲許的融資及び無償資金が、気候変動対策、インフラ整備、地域統合、民間セクター開発、債務管理、透明性の向上等に取り組むアフリカ諸国を支援することになっている。」と述べました。

日本は他のドナー国とともに、先週ベナンのコトヌーで行われたADF-16の中間レビュー会合に出席しました。ADF-16の期間は2023年〜2025年となっており、同レビューでは、優先事項と政策公約の進捗状況を確認しました。

今回5度目の訪日を果たしたアデシナ総裁は、特に、JICAの「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSA)の下での民間セクター支援融資」を賞賛し、日本の広範なパートナーシップに対する感謝の意を表明しました。

アデシナ総裁は、「日本の継続的な支援なくして、ADF-16の成功はなかったであろう。」と述べ、「今年だけでも50万人が電気にアクセス可能となり、100万人に水・衛生設備が行き渡り、250万人が改善された交通機関を利用し、270万人が保健サービスを提供された。」とし、アフリカ開発基金のもとで完了したプロジェクトの影響力を強調しました。

また、JICAの宮崎副理事長は、「アフリカ諸国は、エネルギーや食料価格の上昇、サプライチェーンの途絶、債務の持続可能性の悪化等、複数の危機に直面している。アフリカ開発基金は、これらの課題に対処するために必要不可欠な存在。」と述べました。

アフリカ開発基金と日本の歩み

アフリカ開発銀行グループの譲許的融資の貸し手であるアフリカ開発基金(ADF)は、1972年に設立され1974年にオペレーションを開始しました。日本は1973年6月に同基金に参加以降、すべての増資に貢献し、拠出金を大幅に増加させてきました。

過去50年にわたり、ADFはアフリカの低所得国に対する譲許的資金及び知識サービスの提供を行なっています。ADFは、脆弱国を含むアフリカの低所得国に対し変革的発想と触媒的なファイナンスを提供する機関であり、アフリカの主要な資金源として強力な開発効果をもたらし、ステークホルダーにとっても信頼できる戦略的パートナーとなっています。

日本は、ADF-14におけるブリッジローンの最大の拠出国であり、ADF-15及びADF-16の双方において最大の譲許的融資を行なっています。2024年10月にコトヌーで終了したADF-16の中間レビューでは、重要な成果がいくつも強調されました。

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ご参照:アフリカ開発銀行ウェブサイト(英語)

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