ケニアのメネンガイ地熱プロジェクトが50万世帯に対してクリーエネルギーを供給
2024/10/15

写真:メネンガイプロジェクトサイトに位置する地熱発電所は、クリーンで手頃な持続可能なエネルギーの供給する。
ケニアのリフトバレー中心部、ナクル付近で建設中の105 MWメネンガイ地熱プロジェクトは、2025年までに50万世帯の家庭にクリーンで手頃な持続可能なエネルギーを提供することを目指しています。このプロジェクトは、各35 MWの容量を持つ3か所の発電所で構成されています。
最初の発電所はナイロビのSocian Energy社によって建設され、すでに稼働しています。現在建設中の第2の発電所は、独立系発電事業者(IPP)であるGlobeleq社(英国)によって推進されており、2025年末までに稼働する予定です。第3の発電所が追加されると、メネンガイ地熱施設の総発電能力は105 MWに達し、年間1,000 GWhの電力が発電されます。この電力は、農村地域の70,000世帯や300,000の小規模企業も含めて供給されます。
地熱発電は、地球の地殻からの熱を利用して地下水を蒸気に変換し、その蒸気でタービンを駆動して発電を行います。このプロジェクトは、ケニアの豊富な地熱資源を活用し、化石燃料への依存を減少させ、気候変動対策に寄与します。

写真:Globeleq社の技術チームがメネンガイ発電省の建設作業を担う。
アフリカ開発銀行グループの支援:
メネンガイプロジェクトは、国際的なパートナーからの198百万ドルの投融資によって支えられています。当行は、自己資金や譲許的融資を通じて120百万ドルを提供しています。また、気候ファンド、東部南部アフリカ貿易開発銀行(Eastern and Southern African Trade and Development Bank、略称:TDB)、フィンランド産業協力基金(Finnish Fund for Industrial Cooperation)からも追加の資金を調達しています。
ケニアの国営地熱開発会社(GDC)は、地熱蒸気資源の探査と開発の責任を負っており、Globeleq社がメネンガイのフィールドの一つの発電所を開発・運営します。Globeleq社のマネージングディレクター、エドゥアール・ウェンセレールは、「発電所の建設が完了次第、当社は蒸気を利用することになります」と述べています。発電された電力は、ケニア電力送電会社(KETRACO)を通じて国家電力網に供給され、ケニア電力会社(KPLC)によって消費者に配布されます。
日本側からの支援:
本プロジェクトは、日本の様々な関係者によって支えられています。豊田通商株式会社は、グループ会社あるCFAO Kenya Limitedと共に、Globeleq社の子会社であるQPEA GT Menengai Ltd社から受注し、富士電機株式会社と共に地熱蒸気タービンや発電機などの主要機器の製造・供給を担います。
更に、株式会社国際協力銀行(JBIC)は、東部南部アフリカ貿易開発銀行(TDB)との間で、融資金額8.64百万ドル(JBIC分)を限度とする個別貸付契約を締結しています。本融資は、株式会社みずほ銀行との協調融資により実施され、協調融資総額は14.4百万ドルであり、民間金融機関の融資部分は株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付与されています。
プロジェクトの意義と社会的利益:
メネンガイ地熱プロジェクトは、ケニアのビジョン2030開発計画に基づき、年間195万トンのCO2排出を削減することを目指しています。また、地熱資源はすでに同国のエネルギー供給の45%を占めており、再生可能エネルギーへの取り組みの一環として重要な役割を果たしています。
このプロジェクトは地元コミュニティにも大きな社会的利益をもたらしています。Globeleq社の環境・社会・ガバナンス部門責任者キャロライン・ムパイマは、175人の地元雇用を創出していることを強調し、「発電所は電力を生成するだけでなく、雇用を創出し、地元のスキルを育成します」と述べています。さらに、労働者が消費する食料は地元の農場から調達され、地域経済を活性化しています。「私たちは雇用を提供し、地域経済を支え、地元住民にビジネス機会を創出しています」とムパイマは付け加えました。
※上記記事は当行の英文プレスリリースを要約し、日本側の支援に関する内容を加えています。
プレスリリース原文はこちら(英語)
メネンガイ地熱発電に関するビデオはこちら(英語)