アフリカ開発銀行グループ 新総裁にモーリタニアのシディ・ウルド・タ氏を選出

アフリカ開発銀行グループ(AfDB)は本日、コートジボワール・アビジャンで開催された年次総会において、モーリタニア出身のシディ・ウルド・タ(Sidi Ould Tah)氏を次期総裁に選出したことを発表しました。

今回の選挙は、同行の最高意思決定機関である総会より実施されました。同総会は、加盟81カ国(域内・域外加盟国)の財務大臣、経済大臣、または中央銀行総裁から構成されています。

選挙結果は、コートジボワールのニアレ・カバ計画・開発大臣(アフリカ開発銀行グループ総会議長)より発表されました。

当選には、域内加盟国と域外加盟国の双方からそれぞれ50.01%以上の支持を得ることが条件とされています。

タ氏は、アフリカおよび国際金融分野で35年以上の経験を有し、2015年からの10年間、アフリカ経済開発アラブ銀行(BADEA)の総裁を務めました。在任中には、大規模な改革を実行し、同行のバランスシートを4倍に拡大、AAAの格付けを取得するなど、アフリカに焦点を当てた有数の開発金融機関としての地位を確立しました。

選出直後、タ氏は理事会メンバーおよび報道陣に向けて、「さあ、仕事に取りかかりましょう。私は準備ができています!」と力強く述べました。

また、タ氏はモーリタニア政府で経済・財務大臣を務めた経験を有し、複数の国際機関でも上級職を歴任。アフリカにおける危機対応、財政改革、革新的な資金調達などにおいてリーダーシップを発揮してきました。

理事会の選考委員会は、2025年1月31日の締切までに提出された計5名の立候補を承認し、2月21日に正式な候補者リストを公表しました。

他の立候補者は以下のとおりです:

  • アマドゥ・ホット氏(セネガル)
  • サミュエル・マインボ氏(ザンビア)
  • マハマト・アッバス・トリ氏(チャド)
  • バジャブリレ・スワジ・シャバララ氏(南アフリカ)

タ氏は、2期目の任期を満了するアキンウミ・アデシナ現総裁(ナイジェリア)の後任として、2025年9月1日より5年間の任期で総裁に就任予定です。

アフリカ開発銀行 歴代総裁一覧

  • マムーン・ベヘイリー(スーダン)1964–1970年
  • アブデルワハブ・ラビディ(チュニジア)1970–1976年
  • クワメ・ドンカー・フォードワー(ガーナ)1976–1980年
  • ウィラ・ムンゴンバ(ザンビア)1980–1985年
  • ババカル・ンジャイエ(セネガル)1985–1995年
  • オマール・カバージ(モロッコ)1995–2005年
  • ドナルド・カベルカ(ルワンダ)2005–2015年
  • アキンウミ・アデシナ(ナイジェリア)2015–2025年

 

本選挙は、アフリカ開発銀行グループが設立から60年を迎える中での重要な局面で行われました。アフリカ大陸は、気候変動、経済的混乱、地政学的情勢の変化の中でもレジリエンスを示してきましたが、アフリカ連合の「アジェンダ2063」やSDGsの達成に向け、より迅速な進展が求められています。同行はこれらの課題に対し、「High 5s(ハイ・ファイブズ)」の優先分野を掲げ取り組んでいます。

現在開催中の2025年アフリカ開発銀行グループ年次総会は、5月26日〜30日にかけてアビジャンで行われており、テーマは「アフリカの資本をアフリカの発展により効果的に活かす」です。

アフリカ開発銀行グループは以下の3機関で構成されています:

  • アフリカ開発銀行(AfDB)
  • アフリカ開発基金(ADF)
  • ナイジェリア信託基金(NTF)

加盟国は、アフリカ54カ国の域内加盟国と、アフリカ以外の27カ国の域外加盟国を含む計81カ国となっています。

 

プレスリリース原文はこちら(英語) 

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