アフリカ開発銀行グループ2025年年次総会、閉幕 新総裁にモーリタニアのシディ・ウルド・タ氏を選出
2025/6/10
アフリカ開発銀行グループ(AfDB)の2025年年次総会は、5日間にわたるアフリカの開発に関する議論と会合を経て、5月30日(金)の本会議をもって閉幕しました。本総会では、2025年9月1日からの5年間の任期となる新総裁の選出も行われました。
5月29日(木)、アフリカ開発銀行グループの81加盟国の総務によって、モーリタニアの元財務大臣、シディ・ウルド・タ(Sidi Ould Tah)氏が新総裁に選出されました。年次総会はコートジボワール・アビジャンにて、5月26日から30日まで「アフリカの資本をアフリカの発展のためによりよく活用する」というテーマのもと開催され、支援に頼らず、アフリカが持つ豊富な資本を活かして自らの発展と経済の課題を解決しようという強い呼びかけがなされました。
ヴィンセント・ンメヒエレ事務総長は、「本総会は大成功でした」と評価し、ニアレ・カバ計画・開発大臣(総会議長)の1年間にわたる献身とリーダーシップに対して深い謝意を表しました。また、81の加盟国を代表する財務大臣、経済大臣、中央銀行総裁にも謝辞を述べました。
今回の総会では、任期を終えた13名の理事が退任。次年度の理事会構成の75%が刷新されることとなります。
アキンウミ・アデシナ総裁は、新総裁のタ氏に祝意を表し、「私の兄弟であり友人でもある彼の当選を心より嬉しく思います。心からお祝い申し上げるとともに、今後のご活躍をお祈りします」と述べました。
また、アデシナ総裁には、世界銀行のアジェイ・バンガ総裁や世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長など、世界のリーダーたちから祝福のビデオメッセージが届けられました。
ザンビアの財務・国家計画大臣であるシトゥンベコ・ムソコトワネ氏を通じて、総務会からの祝辞も届けられ、「素晴らしい成果をありがとうございました」と述べられました。
今回の年次総会では、アフリカ開発銀行にとって新たな節目もありました。
5月29日(木)、ナイジェリア政府との間でナイジェリア信託基金(NTF)の15年間延長に関する合意が締結され、ナイジェリアは5億ドルの追加拠出を発表しました。これについてアデシナ総裁は「素晴らしい貢献です。ナイジェリアに感謝します」と述べました。
ナイジェリア信託基金は、銀行グループの第三の組織であり、経済、社会情勢および今後の見通しを考慮した場合に譲許的融資が必要と判断されるアフリカ域内の低所得加盟国への開発支援のための自律的な回転基金です。その資金は国ではなく、プロジェクト単位で配分されます。
「この合意が総会閉幕の前日に署名されたことを非常に嬉しく思います」とアデシナ総裁は語りました。
別れの挨拶として、アデシナ総裁はジョニー・ナッシュの「I Can See Clearly Now」やボブ・ゲルドフの「We Are the World」など、自身の思い出深い楽曲を披露しました。
「今回が、アフリカ開発銀行グループ総裁として出席する最後の年次総会となります。10年間の任期を2期務め上げました。この10年間、皆さんとともに歩んできたことは、本当に特別な時間でした。私にこの機会と信頼、そして資源を与えてくださった皆様に心から感謝申し上げます。アフリカとその人々のために尽くせたことは、私の人生最大の名誉でした」と、アデシナ総裁は締めくくりました。
閉会式では、ニアレ・カバ議長よりアフリカ開発銀行の旗がコンゴ共和国の経済大臣、ルドヴィック・ンガツェ氏に手渡され、2026年の年次総会は2026年5月25日~29日にブラザビルで開催されることが発表されました。
カバ議長は、コートジボワールのロベール・ブグレ首相を代表して、「私たちの大陸をより良い未来へ導くための戦略的な思考と連帯に貢献してくださったすべての参加者に感謝します」と述べました。
公式プログラムに加え、60のサイドイベント、文化行事、配偶者向けプログラムなども実施され、今年の年次総会は多彩な内容となりました。
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