日本とアフリカ開発銀行、アフリカ・アジア(A-A)プラットフォームを立ち上げ、若者の起業家精神とイノベーションを促進
2025/11/18

(写真左から)フランシス・ピーターセン氏(プレトリア大学学長)、シディ・ウルド・タハ氏(アフリカ開発銀行グループ総裁)、川口大司氏(東京大学公共政策大学院(GraSPP)院長)が、アフリカ・アジア(A-A)プラットフォームの立ち上げに関する共同声明署名後、記念撮影。東京、日本、2025年11月14日
アフリカ開発銀行は11月14日、アフリカとアジア間の知識移転を促進する新しいイニシアチブ「アフリカ・アジア(A-A)プラットフォーム」の立ち上げを発表しました。本プラットフォームは、両大陸間での技術・イノベーションの相互交換を実現することを目的としています。
立ち上げを記念する式典は、東京・国際連合大学で開催され、アフリカ開発銀行グループ総裁のシディ・ウルド・タハ氏、プレトリア大学学長のフランシス・ピーターセン氏、東京大学総長の藤井輝夫氏が出席しました。
本プラットフォームは、アフリカ開発銀行内の日本の信託基金である「開発政策・人材育成基金(PHRDG)」の支援を受けており、下記の主要な要素で構成されています。
●アフリカ・アジア間の知識パートナーシップの確立
●アフリカの民間・公共部門における取り組みを支援する知識対話の推進
●大学間ネットワーキングや研究の促進を通じた個人および機関の研究能力強化
本式典は、2025年8月に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の成果として実施されました。テーマは「革新的課題解決策の共創」であり、知識共有を重視する本プラットフォームの理念と合致しています。
各機関の代表からは次のようなコメントがありました。
シディ・ウルド・タハ氏(アフリカ開発銀行総裁)
「本日立ち上げる『新たな官民パートナーシップイニシアチブのためのアフリカ・アジアプラットフォーム』は、我々の協力の次のフロンティアを示すものです。このパイロットプロジェクトの成功は、革新的なパートナーシップを通じてアフリカとアジアをつなぐ取り組みの実現可能性と効果を証明する重要なものとなります。」
さらに、「若者をイノベーションと起業家精神の推進者として位置づけ、官民パートナーシップを基盤に据えることで、投資を促進し、質の高い雇用を創出し、安全でない移民や不安定な情勢の根本原因に対応しながら、安全で繁栄する未来を築く魅力的なアフリカ市場を形成します」と述べました。
フランシス・ピーターセン氏(プレトリア大学学長)
「アジアとアフリカ諸国間のパートナーシップは、両大陸の官民が協働し、共にイノベーションを創出する理想的なモデルです。地理的・制度的距離は依然として存在しますが、大学はこれらのギャップを埋める戦略的な立場にあります。大学は、学際的・超学際的な知識創出能力、地域的・国際的ネットワーク、そして関係者をつなぐ役割を通じて、この役割を果たすのに最適です。」
藤井輝夫氏(東京大学総長)
「アフリカ・アジアプラットフォームは、研究者、政策立案者、起業家をつなぐ知識交換の基盤となります。新たなビジネスパートナーシップの促進、公共政策に関する共同研究、学生や若手専門家が大陸を越えて学び合う機会の創出に寄与します。」
この新しいイニシアチブは、パンアフリカ大学フェーズ2
や、AIを活用したイノベーション・起業家プラットフォームであるENNOVAプロジェクト
など、既存のアフリカ開発銀行グループのイノベーションプロジェクトを補完するものです。これにより、関係者は市場調査、能力開発機会、知識資源、資金機会、プロトタイピングやインキュベーションのツールにアクセスできます。
プラットフォーム立ち上げに際して、実施組織(アフリカ開発銀行グループ、プレトリア大学、東京大学公共政策大学院)のリーダーは、組織間および他のすべての関係者と協力し、その目標を達成するとともに、アフリカの持続可能な開発のためのスキル開発、若者の起業家精神、イノベーション促進に貢献することに合意しました。

イベント全体の進行と取り纏めは、アフリカ開発銀行 チーフ教育アナリストである武居桂子氏が担当し、MCとして式典を円滑に進行しました。

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プレスリリース原文はこちら
(英語)



