エジプト、日本市場で800億円のサムライ債を発行
2026/7/1
― エジプト、アフリカ開発銀行の部分信用保証を活用し、800億円のサステナビリティ・サムライ債を発行 ―

エジプト・アラブ共和国は、アフリカ開発銀行グループの部分信用保証(Partial Credit Guarantee)の支援を受け、日本市場で総額800億円(約5億米ドル)のサステナビリティ・サムライ債を発行しました。
本起債は、格付けAA+の5年債と格付けAAの10年債の2本立てで構成されており、資金調達手段のさらなる多様化を図るとともに、対外債務の償還期間の長期化を実現しました。
また、今回の起債は、対外債務の通貨構成を多様化するとともに、エジプト政府のサステナブル・ファイナンス・フレームワーク(Sovereign Sustainable Financing Framework)に基づき、持続可能な開発に向けた長期資金を確保するという同国の戦略における重要なマイルストーンとなるものです。
調達した資金は、同枠組みに基づく適格なサステナブル関連事業に充当されます。対象分野には、保健医療、教育、再生可能エネルギー、省エネルギー、気候変動への適応、水・下水道管理、デジタルインフラ、包摂的な社会経済開発などが含まれます。
本起債は、地政学的リスクの高まりや国際金融市場の不安定化が続く中で実施されました。こうした環境下では、資金調達手段の多様化と長期資金へのアクセスの確保がこれまで以上に重要となっています。アフリカ開発銀行のAAA格付けと部分信用保証は、競争力のある条件での長期資金調達を可能にし、エジプトの債務償還期間の長期化を後押ししました。
エジプトのアハメド・クチュク財務大臣は、「アフリカ開発銀行による継続的な支援と、エジプトの経済改革への信頼に深く感謝しています。この部分信用保証により、革新的なサステナブル・ファイナンスを通じた資金調達の多様化がさらに進みます」と述べました。
また、「エジプト政府のサステナブル・ファイナンス・フレームワークに基づき発行される今回のサステナビリティ・サムライ債で調達した資金は、『エジプト・ビジョン2030』に沿った人材育成、持続可能なインフラ整備、気候変動対策、包摂的成長などの重点分野に充てられます」と述べました。
さらに、「不確実性が高まる現在の国際情勢では、多国間開発銀行の果たす役割はこれまで以上に重要です。その支援は、新興国・途上国が国際資本市場へのアクセスを維持し、民間投資を呼び込み、持続可能な開発に必要な資金を確保する上で支えとなります。こうした共通の目標に向けたアフリカ開発銀行との協力を高く評価しており、今後も連携をさらに深めていきたいと考えています」と語りました。
今回の起債は、アフリカにおけるサステナブル・ファイナンスの先駆者としてのエジプトの実績をさらに強化するものです。エジプトは、中国のパンダ債市場にアクセスした初のアフリカの主権国家であり、サステナブル関連支出の特定、資金配分、モニタリング、情報開示について、国際的な優良事例に沿った包括的なサステナブル・ファイナンス・フレームワークを整備しています。
アフリカ開発銀行金融セクター開発局のアハメド・アトゥ局長は、「今回の案件は、アフリカ開発銀行の部分信用保証が、域内加盟国による民間資本の動員と、競争力のある条件での長期資金調達をどのように支援できるかを示す好例です。当行のAAA格付けを活用することで、エジプトの対外債務の通貨構成の多様化を支援するとともに、持続可能で包摂的な成長に向けた資金の確保にも貢献しています」と述べました。
さらに、「市場の変動性が高まる中、当行の支援は、エジプト・アラブ共和国がアジア市場へのアクセスを維持し、市場環境の悪化による影響を和らげる上でも重要な役割を果たしています」と付け加えました。
本案件は、アフリカ開発銀行にとって初めてのサムライ債発行支援であり、日本の資本市場とアフリカの持続可能な開発ニーズを結び付ける新たなマイルストーンとなるものです。日本の投資家の資金がアフリカの持続可能な成長や気候変動対策、人的資本開発に活用されることで、本案件は両地域の経済的な結び付きを一層強化し、日本とアフリカの懸け橋としての役割を果たすことが期待されています。
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