日本とアフリカ開発銀行は、アフリカの民間セクター開発の支援のために、35 億米ドルの資金協力を行うことを発表しました


電力、運輸、保健を重点分野として特定

 (横浜、2019年8月30日)

  2019年8月30 日、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、日本及びアフリカ開発銀行(以下、当行)は、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」第4フェーズ(EPSA4)として、共同で35 億米ドルを目標額とする資金協力を行うことを発表しました。

 日本と当行は、2020-2022年でそれぞれ 17.5億米ドルの目標額を設定し、アフリカにおける民間主導の持続可能で包摂的な成長のため、EPSAを拡充します。

 鈴木馨祐財務副大臣は、EPSA4のローンチセレモニーにおいて、「今般、アフリカ開発銀行と日本は、これまでの EPSAの成功の基盤の上に、アフリカのインフラへの資金ニーズや、民間の資金ニーズに応えるべく、EPSAを質・量ともに拡充することに合意しました。EPSA4が、アフリカのビジネス、投資促進、雇用創出につながることを期待します。」と表明しました。

 EPSA4では、電力、運輸及び保健を重点分野とします。3分野に関連するプロジェクトやプログラムは、「質の高いインフラ投資に関する G20原則」及び「途上国における UHCファイナンス強化の重要性に関する G20共通理解」に沿って形成・実施されます。アフリカ諸国に民間投資を呼び込むことを目的としたビジネス環境の改善や整備のための支援も行われます。

 当行アキンウミ・アデシナ総裁は、「今日は、日本とアフリカ開発銀行間の強力かつ印象的なパートナーシップを改めて祝う日となりました。アフリカ開発銀行と 国際協力機構(JICA) は、長年にわたりパートナーとして、アフリカの開発を促進しています。EPSAは、民間セクターのために必要な支援を提供するものです。」と述べました。

 当行とJICAは、これまでに ACFAの下で、主要な交通や電力送電網の改善のために、25のプロジェクトを共同で融資してきました。それらの中には、コートジボワールのアビジャン3交差点建設プロジェクトやアンゴラの電力セクター改革支援プログラムが含まれます。

 EPSA1(2005-2011)では、日本は単独で10億米ドル、EPSA2(2012-2016)では単独で20億米ドルを目標とした円借款の供与を行いました。現在実施中の EPSA3(2017-2019)では、アフリカ開発銀行と共同で 30億米ドルの資金協力を進めています。

 アデシナ総裁は、「EPSA4の下、JICAと当行は35億米ドルの協調融資を行います。これは EPSA3からの大きな増額です。この増額は、アフリカのニーズを満たすために必要なものです。また、アフリカの成長への野望の水準を引き上げるために必要なものです。さらに、過去 13年間の協調融資の強固な基礎の上に、今後数年間で、より大きく、よりインパクトのある開発効果をもたらすものです。新たな活力をもって立ち上がりましょう。EPSA4を通じて、アフリカ諸国により大きなインパクトをもたらしましょう」と、締めくくりました。  

 

EPSAとは≫

EPSAは、次の3つの部分から構成されています。

アフリカ向け協調融資促進ファシリティ(ACFA):アフリカ各国政府を対象とした AfDBJICAの協調融資の枠組みです。ACFAの下、JICAは、優遇金利により融資を実行します。

ノンソブリン事業向けローン(NSL):民間セクター向け業務における出融資の原資として、JICAから当行に対し、クレジットラインを設定するものです。また、アフリカ開発銀行のノンソブリン事業向けローンとJICA海外投融資スキームの連携を図っていきます。

アフリカ民間セクター向け支援基金(FAPA):マルチドナー信託基金で、当行から支援を受ける公的セクター・民間セクターの双方を対象に、技術協力や能力構築支援を行うものです。資金貢献の多くは日本政府によるもので、信託基金の管理は当行に委ねられています。

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