アフリカ開発銀行が記録的な「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)と戦う」ソーシャル・ボンドを発行へ
2020/3/27
記録に残る取引、資本市場における過去最大の米ドル建てソーシャル・ボンド
2020年3月27日
アフリカ開発銀行(トリプルA格付)は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)がアフリカの生活と経済に及ぼす経済・社会的インパクトの緩和に役立てるために、かつてない30億ドルのソーシャル・ボンドを3年償還で起債しました。
この3年償還のCOVID-19対策ソーシャル・ボンド(Fight COVID-19 Social bond)は、中央銀行、公的機関、銀行の債券部門、社会的責任投資家を含むアセット・マネージャー等から46億ドル超の入札を得る関心を集めました。これは国際資本市場において発行された最大のドル建てソーシャル・ボンドであり、当行がこれまでに発行した中で最大の米ドル建てベンチマーク債となります。利率は0.75%です。
アフリカ開発銀行グループは、このパンデミックがアフリカ地域の加盟国及び民間セクターに与える深刻な経済・社会的インパクトを低減することを目的として、柔軟な対応策を提供する方向で動いています。
アフリカ開発銀行グループのアキンウミ・アデシナ総裁は、「アフリカにとって、コロナウィルスから生じる諸課題に対処する重要な局面に来ています。当行は、アフリカ諸国を支援するために大胆な対応策をとっています。30億ドルのCOVID-19債の発行は、近く公表する予定の当行の包括的対応策の最初の一部です。この債券は実際に、資本市場における過去最大のドル建てソーシャル・ボンドの発行となります。我々はアフリカのために存在しており、アフリカ各国に大規模で迅速な支援を提供します」と述べています。
この前例のない債券に対する注文は、アフリカ開発銀行が投資家から得ている支援の大きさを物語っていると幹事金融機関は述べています。
クレディ・アグリコルCIBのサステナブル・バンキング担当ヘッドであるTanguy Claquin氏は次のように述べています。「新型コロナウィルス感染症の発生はアフリカにとって脅威となっているため、人々の健康とその他全ての基本的製品、サービス、インフラにアクセスするための資金調達を通じて、アフリカ開発銀行はその大きな責任に応じた行動をとっており、アフリカの人々への支援に備えて資金を調達しています。」
アフリカでのコロナウィルス感染の発生は遅かったものの、急速に感染が拡大しており、45か国で約3,000人の感染がみられ、もともと脆弱だった保健システムを圧迫しています。
アフリカではこの感染症の影響を緩和するために数十億ドルが必要になると見積もられています。なぜなら多くの国で感染をなんとか封じ込めようとして、商業活動の停止を含む緊急対応策が一斉にとられているためです。グローバルにみると、工場の閉鎖、労働者の帰休により、サプライ・チェーンや貿易、移動が停止され、多くの国の経済はリセッションに向かっています。
この記録的な債券発行について、ゴールドマン・サックスの公共セクター(SSA)シンジケート部門エグゼクティブ・ディレクターであるGeorge Sager氏は次のようにコメントしています。「かつてなく市場のボラティリティが高いこの時期に、アフリカ開発銀行は、アフリカ大陸諸国のCOVID-19との闘いを支援する貴重な資金を確保するために、資本市場に立ち向かうことができました。それだけではなく、その過程で、かつてない大規模な米ドル建てベンチマーク債を発行しています。これは同行の目的という観点からだけではなく、米ドル建ての資金調達という点から見ても、実に目覚ましい成果です。」
アフリカ開発銀行はソーシャル・ボンド枠組を2017年に設置し、ユーロ建てやノルウェー・クローネ建てにより20億米ドル相当の債券を発行しました。2018年、当行はグローバル・キャピタルSRIアワードにおいて、「最も印象的なソーシャル・サステイナビリティ・ボンド発行体の第二位」として金融市場で認識されています。
「アフリカ開発銀行グループは、既に深刻な影響を受けているアフリカ大陸へのパンデミックによる経済及び社会的インパクトを低減させるために動いており、COVID-19対策ソーシャル・ボンドが世界中で類を見ないレベルの関心を集めたことに感謝しています。我々はソーシャル・ボンド・プログラムにより、投資家コミュニティに対して我々の強固な開発マンデートを明確にすることができ、投資家がアフリカの人々の生活の向上の一部を担うことができるようにしています」と当行の債券発行部門長(Treasurer)であるHassatou Diop N’Seleは述べています。
COVID-19対策ソーシャル・ボンドは、中央銀行及び公的機関(53%)、銀行の債券部門(27%)、アッセット・マネージャー(20%)に割り当てられました。地域別の最終的な債券割り当ては次のとおりです。欧州(37%)、米州(36%)、アジア(17%)、アフリカ(8%)、中東(1%)。
プレスリリース原文は以下のリンク先からご参照ください。
・英語
・仏語