安倍晋三元内閣総理大臣の逝去について(総裁声明)


安倍晋三元内閣総理大臣の悲劇的なご逝去に対し、日本政府及び国民の皆様に哀悼の意を表するとともに、お見舞い申し上げます。

偉大かつグローバルな政治家の喪失に際して、心よりお悔やみ申し上げます。

安倍晋三氏は、紳士的で、思いやりと先見性のあるリーダーであり、より良い世界、より平和な世界のために尽力されました。彼のご不在は、とても哀惜されることでしょう。

安倍晋三氏は、アフリカに特別な愛情を抱いてくださいました。

2016年の第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)に際し、私は安倍氏と何名かのアフリカ各国首脳とともに列席し、アフリカに日本のクリーンなエネルギーへのアクセスを提供する方策を模索するという名誉ある機会に恵まれました。この会合の結果、私は安倍元総理に東京に招待いただき、その後、日本政府がアフリカに大規模なクリーンエネルギーへの融資を提供することが決定されました。

2016年に東京で開催された笹川財団の30周年記念式典では、アフリカにおける食料安全保障の重要性についての感動的かつ印象的なスピーチで、式典に栄誉を与えてくださいました。

また、私は2019年のビアリッツG7首脳会議にマクロン仏大統領に招かれた際に、安倍元総理と再会しました。いつものように安倍氏は、アフリカ開発銀行が取り組む「アフリカの女性のための積極的金融アクション(AFAWA)」に強い関心を寄せてくださいました。その後G7は、アフリカの女性のために50億ドルを動員することを目標に、4億5千万ドルの支援を行いました。

安倍元総理のもと、アフリカ開発銀行は日本の外交政策において重要な位置を占めるようになりました。国際協力機構(JICA)とアフリカ開発銀行は、アフリカのインフラ開発と民間セクターへの投資をさらに強化するための協調融資として、30億ドルの「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSA3)」及び35億ドルの「EPSA4」に署名しました。

G20で「質の高いインフラストラクチャ―」という言葉が作られ、インフラストラクチャ―向けのグローバルな融資の主流となったのは、安倍氏の功績です。

安倍氏の卓越したリーダーシップのもとで、アフリカと日本の結びつきはかつてないほど強くなりました。

私たちは、安倍氏がアフリカ大陸にもたらした永続的な貢献に、永遠に恩義を感じるでしょう。

安倍氏の令夫人、ご家族、そして日本政府と国民の皆様に対し、この悲しみの時に深い哀悼の意を表します。

私たちの世代で最も優れたグローバル・リーダーの一人を失った悲しみと痛みを、私も分かち合っています。安倍元総理の逝去は、日本にとっても世界にとっても大きな損失です。

彼の魂が安らかでありますように。

 

アキンウミ・A・アデシナ博士

アフリカ開発銀行グループ総裁

声明の原文(英語)はこちらをご覧ください。

フランス語及びポルトガル語による声明はこちらをご覧ください。

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