肥料供給及び農業分野女性起業家支援におけるETG社との協働


ウクライナ危機を受けてアフリカの食糧安全保障がハイライトされつつある中、当行は食料安全保障に向けて様々なパートナーと協働しています。その1つがETC Group(ETG)です。ETGはアフリカ26カ国において農業資材、豆類や米などの現物取引商品、物流、消費材・小売等の事業を展開しており、三井物産が出資参画しています。当行は2021年11月にETG向け1億5,000万ドルの融資を承認するなど、同社との様々な協働実績があります。

現在のウクライナ危機はアフリカにおける肥料不足や肥料価格上昇を招き、結果として肥料の供給量が減少しています。ガーナでは供給量の60%が肥料不足の影響を受けているとされています。このような中、当行の「アフリカ肥料ファイナンスメカニズム」(Africa Fertilizer Financing Mechanism:AFFM)は、ガーナ国内の20万人の零細農家への肥料供給を支援するため、ETG Inputs Ghana社に200万ドルの部分信用保証を提供します。これにより、現在の肥料の供給不足を緩和し、農家の収量・所得を向上させ、食料安全保障に貢献することができます。

当行のベス・ダンフォード副総裁(農業、人材及び社会開発担当)は、「今回のETGとのプロジェクトは新型コロナウイルス感染拡大よる経済的影響から回復しつつあるアフリカの農家が、ウクライナ危機による肥料市場の価格上昇に直面している時に実現しました」と述べています。

また、当行理事会は今年7月、モザンビーク、タンザニア、ザンビアの3カ国にて、600人の女性経営者(各国200人)向けにトレーニングを行い起業スキルの向上を目指すETGの女性起業家支援プロジェクトに対して140万ドルの技術支援(無償支援)を承認しました。この無償支援は当行が管理する「アフリカの女性のための積極的金融アクション」(Affirmative Finance Action for Women in Africa: AFAWA)」から提供されます。

本件に関し、当行の戸田敦子農業金融・地域開発局長は「本技術支援は、2021年11月に当行がETGに対して承認した融資を補完するものです。また、当行の農業分野での民間セクター向け事業にAFAWAの資金が直接活用される最初のプロジェクトでもあります。本技術支援により、女性農家と女性主導の中小企業を支援しながら既存融資の開発効果を高めることにつながります」と言及しています。

当行は今後も食糧安全保障に向けて様々なパートナーと協働していきます。

 

プレスリリース全文(英文)は以下のリンク先をご参照ください。

Ghana: Africa Fertilizer Financing Mechanism extends $2m to ETG Inputs Ghana Limited to boost farmers’ access to fertilizers (10-Jun-2022)

African Development Bank grants $1.4 million to Export Trading Group to strengthen entrepreneurship skills of women-owned & led businesses in Mozambique, Tanzania and Zambia (18-Jul-2022)

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