TICAD８を機に、投資を有言実行へ(ビデオを追加)

2022/9/8

8月27日、28日、アフリカ開発銀行はチュニジアで開催された第８回アフリカ開発会議（TICAD８）に招かれ、アデシナ総裁が全体会合１（経済）及びビジネスリーダーズ・フォーラムに出席しました。

アデシナ総裁のTICAD８参加のハイライトはこちら（ビデオ）

全体会合

TICAD８には、アフリカ20カ国の国家元首を含む48カ国と日本の政府関係者、企業経営者、国際機関が参加しました。日本の岸田総理大臣はオンラインで参加し、日本が2019年のTICAD7で掲げた、官民合わせてアフリカに200億ドルの投資を行うという目標を達成したと述べました。岸田総理は新たなコミットメントとして、日本がアフリカの人々の生活を改善するために、アフリカ開発銀行とともに最大50億ドルの協調融資を行うことを発表しました。

アデシナ総裁は、アフリカ諸国がCOVID-19及び気候変動による影響、ロシアのウクライナ侵攻の影響に対処するため、多額の資金を必要としていると述べました。「特にエジプトでの第27回気候変動枠組条約締約国会議（COP27）を前に、今こそアフリカの気候適応に250億ドルを調達する「アフリカ適応加速プログラム(AAAP)」を強力に支援する時です」と述べました。

更に、アフリカ開発銀行は今年5月に15億ドルのアフリカ緊急食料生産ファシリティを設置し、アフリカ24カ国に対して緊急食料生産のための資金として11億3000万ドルを提供しています。アデシナ総裁は、このファシリティへの日本の貢献に感謝し、「国際協力機構（JICA）が5億1800万ドルの追加的資金を提供したことを嬉しく思います」と述べました。

全体会合（経済）におけるアデシナ総裁のスピーチ（全文）はこちら。

ビジネスリーダーズ・フォーラム

アデシナ総裁は、ハイレベルセッションにおいて、日本政府と民間部門がアフリカの開発を強力に支援していることを称賛しつつ、日本企業は投資機会と投資収益が世界で最も高いアフリカに更に投資すべきであると呼びかけ、アフリカの投資機会を認識するのではなく、事実と証拠に基づいて評価するよう促しました。

アデシナ総裁は「2020年、ムーディーズ・アナリティックスが世界のインフラ債務のデフォルト率について、地域別に10年間の累積評価を行ったところ、アフリカは中東に次いでデフォルト率が低い地域であることが明らかになりました。これはアセットクラスとしてのアフリカのインフラが堅実で安全かつ収益性が高いことを改めて証明するものです」と述べました。

また、アデシナ総裁は、日本のアフリカへの関与強化を期待する2つの分野として、貿易と投資を挙げました。日本の貿易総額1兆5000億ドルのうち、アフリカとの貿易額は235億ドルで、わずか1.5％。日本の対外直接投資総額2兆ドルのうち、アフリカが占める比率はわずか0.003%であることを指摘しました。

アデシナ総裁は、アフリカへの投資に大胆に取り組んでいる日本企業こそが繁栄を享受していると強調し、豊田通商の南アフリカにおける自動車工場への投資やコマツ、三菱重工業を例に挙げました。

更に、アフリカの若者、起業家精神、革新性に言及し、「アフリカには、デジタル革命をリードし、世界をリードする最高の可能性を秘めた活気あるフィンテック・エコシステムが存在します。アフリカ大陸には若者が経営する576社のフィンテックのスタートアップがあります」と述べました。

アデシナ総裁は、電気自動車の動力源となるリチウム電池の生産、農業ビジネス、水力、風力、地熱を含む再生可能エネルギーなど、その他の重要な投資分野についても言及しました。

ビジネスリーダーズ・フォーラムにおけるアデシナ総裁のスピーチ（動画）はこちら。

ビジネスリーダーズ・フォーラムにおけるアデシナ総裁のスピーチ（全文）はこちら。

8月28日　EPSA５署名式典

ビジネスリーダーズ・フォーラムにおいて、当行は日本政府と2023-2025 年を対象期間とする「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」第５フェーズ（EPSA５）の下で、最大50 億ドルの資金協力を行うことを発表しました。これは、通常枠40 億ドルと、債務の透明性・持続可能性の向上を含めた改革に取り組み、債務健全化に着実かつ顕著な前進が見られる国を支援するため、日本が新たに設置する特別枠最大10 億ドルを合わせたものです。

EPSA署名式典に関するプレスリリースはこちら。

EPSA署名式典におけるアデシナ総裁のスピーチ（全文）はこちら。

アデシナ総裁はTICAD８開催期間中に、日本の関係者と個別面談を行いました。

8月26日　国際協力機構（JICA）田中明彦理事長との面談