アフリカ開発銀行（AfDB）は、毎年発行している地域別経済見通し「北部アフリカ経済見通し2023年」を発表し、2022年の北部アフリカのGDP成長率は、2021年の5.4％に対し4.1％と緩やな成長でした。北部アフリカはサービス部門、特に貿易と観光によって牽引され、2023年のGDP成長率は4.6%、2024年には4.4%の成長が見込まれています。

AfDBの北部アフリカ地域のエコノミストであるオードリー・ベルディエ・シュシャン氏は、北部アフリカ域内の国々の間には大きな格差があり、「包括的な成長を維持するためには、地域が民間セクターの成長をサポートし、生産性と雇用可能性を向上させ、雇用機会を創出する構造改革を実施する必要がある」と強調しています。

北部アフリカのインフレ率は2023年に2桁（14.2%）に上昇しつつも、2024年には6.9%に低下すると予想されており、財政赤字は2023年にはGDPの約3.5%、2024年は3.2%の水準を維持すると予測されています。 燃料価格、貿易構造、観光、海外直接投資（FDI）等の世界経済環境が大きな影響を与えます。

インフレ率上昇に適切に対応し、公共支出を通じて小規模ビジネスを保護するための金融政策や予算政策の調整することを推奨しています。また、税管理システムのデジタル化、課税の拡大、公共支出の合理化等のガバナンスシステムの強化を進めることを推奨しています。

北部アフリカはアフリカ大陸自由貿易地域（AfCFTA）の実施を強化し、アフリカ域内の貿易と投資を刺激すべきであるとしています。また、農業への投資やグリーン成長を優先すべきである点も示唆しています。

「北部アフリカ経済見通し2023年」全文（英語）はこちら  

プレスリリース原文（英語）はこちら