【地域別経済見通し】南部アフリカ経済見通し2023年版 (Southern Africa Economic Outlook 2023)

アフリカ開発銀行(AfDB)は、毎年発行している地域別経済見通し「南部アフリカ経済見通し2023年」を発表し、南部アフリカは、域内最大の経済大国である南アフリカが複数の困難に直面したため、地域全体の経済成長が減速し、また、暴動や電力危機、自然災害によりアフリカの他の地域に比べて鈍化しました。

2022年の南部アフリカのGDP成長率は2.7%にとどまり、世界平均の3.4%、アフリカ平均の3.8%を大きく下回りました。 2023年には1.6%とさらに減速し、2024年には2.7%と少し改善することが予想されます。

また、南アフリカの成長鈍化は、ジンバブエ、ザンビア、マラウイ、マダガスカル及びサントメ・プリンシペなど域内の他の国も同様であり、深刻な悪天候に見舞われたことにより、南部アフリカは他のアフリカ地域と比較して遅れをとっています。

2022年の南部アフリカの対外債務は48%に達し、南部アフリカ全体で高い債務水準が続くと予測されています。他方、財政赤字は2021年のGDP比3.7%に対し、2022年は3.5%と若干改善することが見込まれています。

南部アフリカにおける気候変動対策のための資金需要は1兆ドルで、2020年~2030年までの年間必要額は903億ドルです。しかしながら、南部アフリカへの年間平均気候変動資金は62億ドルと、必要資金のわずか6.9%に過ぎません。南部アフリカは、他のアフリカ地域と比べて、最も資金需要に対する資金の流入が少なった地域でした。副総裁兼チーフエコノミストのケビン・チカ・ウラマ氏は、「気候変動対策への資金を動員する方法を検討することは喫緊の課題である」と強調しています。

 

「南部アフリカ経済見通し2023年」全文(英語)はこちら 

プレスリリース原文(英語)こちら  

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