2026年アフリカ経済見通し(AEO)発表:世界的な不確実性の中でもアフリカの成長は堅調
2026/6/16
アフリカ大陸のGDP成長率は、2025年に平均4.4%と推定され、22カ国が5%を超える成長率を達成しました。
2026年も、地政学的緊張の高まりや世界的な供給ショックにもかかわらず、アフリカは4.2%の成長を維持すると予測されています。
中部アフリカは、高止まりする石油価格に支えられ、2025年の3.6%から2026年には3.8%へと成長が加速する見込みです。

アフリカ経済は、2026年に4.2%の成長が見込まれており、2025年の4.4%からやや減速するものの、2027年には再び4.4%へ回復すると予測されています。ブラザヴィルで開催されたアフリカ開発銀行グループ年次総会の場で発表された「2026年アフリカ経済見通し(AEO)」は、地政学的緊張、世界的な金融環境の引き締まり、サプライチェーンの混乱といった逆風の中でも、アフリカ経済が引き続き高いレジリエンスを維持していることを示しています。
報告書によると、2025年の成長は、マクロ経済運営の改善、農業生産の拡大、商品価格の上昇、そして構造改革の進展に支えられました。アフリカは依然として世界でも高い成長率を維持する地域の一つであり、2025年には22カ国で5%を超える成長が見込まれています。
「分断された世界におけるアフリカ開発資金の大規模動員」をテーマとする本報告書は、より速く、包摂的で強靭な成長を持続するためには、資本の大規模な動員と効果的な配分への抜本的な転換が必要であると指摘しています。このためには、国内資源動員の強化、金融システムの深化・統合、資本市場の拡大、そして国際金融におけるアフリカの主体性の向上が重要とされています。
地域別に異なる見通し
東アフリカは引き続き最も高い成長率を維持する見込みですが、中東情勢の影響によるエネルギー価格や輸入コストの上昇を受け、2026年は5.9%と、2025年の6.6%から減速すると予測されています。2027年には6.4%への回復が見込まれています。
西アフリカは比較的安定した成長を維持すると見られ、2026年は4.7%と、2025年の4.8%とほぼ同水準が予測されています。これは、農業生産の好調さやインフラ投資の継続に支えられています。
北アフリカは、2025年の4.4%から2026年には4.0%へと減速すると見込まれており、湾岸諸国からの観光需要の低迷や、世界的なサプライチェーンの混乱の影響が反映されています。
中部アフリカは数少ない成長が加速する地域の一つであり、2025年の3.6%から2026年には3.8%へと小幅な増加が見込まれています。これは高止まりする石油価格に支えられています。
南部アフリカは引き続き低成長が見込まれ、2026年は2.1%と、2025年の2.3%からわずかに減速すると予測されています。鉱業や農業の低迷、エネルギーコストの上昇が重しとなっています。
一方で、下振れリスクも依然として大きく、インフレ率は2026年に10.4%と高止まりする見込みであり、マクロ経済の安定や成長見通しに課題をもたらしています。地政学的緊張やサプライチェーンおよびエネルギーの混乱が長期化すれば、エネルギーや肥料価格の上昇を通じて財政や対外収支にさらなる圧力がかかる可能性があります。さらに、金融市場の変動や通貨安は債務や財政の脆弱性を増幅させるリスクとなり、世界的な分断の進行は、公的開発援助を含む外部資金の流入にも影響を及ぼす可能性があります。
アフリカの資金ギャップの解消
本報告書は、アフリカの開発資金不足についても厳しい現状認識を示しています。持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、年間1.3兆ドルを超える資金ギャップが存在しています。
この背景には、国内資源動員の不足、金融仲介機能の脆弱さ、外部資金調達環境の悪化といった要因があります。しかし報告書は、問題は資金の不足だけではなく、「資本をいかに効果的に活用するか」にもあると指摘しています。
適切な改革を実施することで、徴税強化や公共投資の効率化、不正資金流出や汚職の抑制、資本市場の深化、公民連携(PPP)の拡大、ディアスポラ資金の活用、自然資本の有効活用などを通じて、年間最大1.43兆ドルの資金を動員できる可能性があるとされています。
特に、年間約4,690億ドルの追加財源の確保や、公共投資の効率化による約2,990億ドルの節減が有効な手段として指摘されています。また、PPPは重要なレバレッジを提供し、公的投資1ドルに対して約1.40ドルの民間投資を誘発する効果があるとされています。
さらに、年金基金や保険会社、政府系ファンドなどの機関投資家が約4兆ドルの資産を運用しているにもかかわらず、アフリカのインフラや生産部門への投資は2.7%未満にとどまっており、大きな未活用の潜在力が存在しています。
報告書はまた、汎アフリカ銀行の強化、資本市場の統合、気候金融やイスラム金融などの革新的手法の導入を通じて、金融システムの強化を加速する必要性を強調しています。その中心的な枠組みである「新アフリカ開発金融アーキテクチャ(NAFAD)(関係記事はこちら
)」は、アフリカの金融エコシステム内に存在する4兆ドル超の資産の活用を目指しています。
2026年1月に設立されたアフリカ信用格付機関も、主権リスク評価における偏りへの対応手段として重要な役割を果たすと期待されています。一方で、株式市場の時価総額は2024年に1.2兆ドルに達したものの、南アフリカ、エジプト、ナイジェリア、モロッコに集中しており、さらなる市場統合の必要性が指摘されています。
さらに、アフリカ金融安定メカニズムなどの大陸レベルの取り組みを通じて、流動性の確保、金融安定の強化、債務借換リスクの低減を図ることの重要性も強調されています。
2026年アフリカ経済見通し(AEO)のレポートについてはこちら
をご参照ください。
オリジナルの記事(英文)については、こちら
をご参照ください。
ケヴィン・ウラマ副総裁によるPPTプレゼンテーションはこちら
をご参照ください。
ケヴィン・ウラマ副総裁による発言要旨(トーキングポイント)はこちら
をご参照ください。



