主要国際開発金融機関、肥料サプライチェーン強化に向けた共同声明を発表

アフリカ開発銀行グループ(AfDB)は9月1日、他の主要な国際開発金融機関(MDB)および国際金融機関(IFI)とともに、食料安全保障の向上と肥料サプライチェーンの強靱化に向けた共同声明を発表しました。

声明では、食料安全保障が依然として世界の重要な開発課題の一つであると指摘するとともに、近年相次ぐ世界的な危機により、肥料の生産・流通体制が抱える脆弱性が明らかになったことへの懸念が示されました。特に、小規模農家や低所得世帯がその影響を大きく受けているとしています。

また、長期的な食料安全保障の実現には、肥料の安定供給に加え、肥料利用の効率化、栄養源の多様化、健全な土壌の回復、そして強靱な食料システムへの投資が重要であるとの認識が共有されました。

 

2022年の食料危機への対応を基盤に連携を強化

声明では、2022年の世界的な食料危機への対応として、MDBおよび国際金融機関が実施した「食料不安対策行動計画(IFI Action Plan to Address Food Insecurity)」に言及し、農業、食料貿易、社会的保護、持続可能な食料システムへの支援を拡大してきたことを振り返りました。

さらに、G20やG7においても、食料および肥料のバリューチェーン強化の重要性が議論されていることを踏まえ、今後は肥料供給網の強靱化と食料システムの変革を両立させるため、国際的な連携を一層深めていく必要があるとしています。

 

肥料供給網強化に向けたロードマップ策定へ

共同声明において、各機関はG20各国、開発パートナー、民間セクターと連携し、肥料サプライチェーンの強化に向けた共同ロードマップの策定を進める意向を表明しました。

ロードマップでは、主に以下の分野が重視されます。

・肥料の生産、加工、貯蔵、輸送など関連インフラへの投資拡大

・土壌診断や精密農業などを通じた肥料利用の効率化

・土壌・水資源管理や自然を活用した解決策による食料システムの強化

・小規模農家や農業関連企業の資金、農業投入材、市場へのアクセス改善

・政府、研究機関、国際機関、民間企業との知識共有および政策対話の強化

これらの取組を通じて、将来の供給ショックに強い肥料バリューチェーンの構築と、持続可能で強靱な食料システムへの移行を支援することを目指しています。

 

署名機関

本共同声明には、以下の国際開発金融機関・国際金融機関が署名しました。

・アフリカ開発銀行グループ(AfDB)

・アジア開発銀行(ADB)

・欧州復興開発銀行(EBRD)

・米州開発銀行グループ(IDB)

・国際農業開発基金(IFAD)

・世界銀行グループ

各機関は今後も連携を強化し、食料安全保障の向上と持続可能な農業・食料システムの構築に向けた取組を進めていく方針です。

 

オリジナルの記事(英文)に関してはこちらをご参照ください。

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