アフリカ開発銀行の資本市場活動クイックガイド
アフリカ開発銀行は、アフリカ随一の開発金融機関です。1964年に設立され、現在の加盟国は、アフリカ大陸の全54ヵ国とアフリカ以外の26ヵ国の計80ヵ国に達しています。国際的な格付け機関からは最高格付けのトリプルAを付与されています。アフリカ開発銀行のトリプルA格付けは、当行を格付けする4つの主要国際格付け機関により安定的見通しであると確認されています。当行は厳しい国際的・地域的経済状況の下で健全な財務状態を保ってきました。
当行は、アフリカ諸国の開発ニーズに対応するため、資本市場において積極的な借り入れを行っています。機動的かつ柔軟であることは、資本市場における借り手としての当行の活動の優れた特徴と言えるでしょう。当行が発行する債券のリスク・ウェイトはゼロパーセントです。また、普通債や仕組債から、コマーシャルペーパー、公募債、私募債、グローバル債やアフリカ諸国の通貨建て債券、日本の投資家層の要望に応じた売出債やテーマ型債まで、幅広い種類の金融商品に対応しています。
背景
アフリカ開発銀行の借入プログラムは毎年理事会の承認を受けており、その年の事業計画を実行するために資本市場からの調達が必要な額を定めています。そして、当行の資産・負債管理のガイドライン、方針、負債限度額、調達戦略の枠組の中でプログラムが実行されます。プログラムの主な目的は、資金調達コストを最小限に抑えながら(これは、当行の貸付業務において競争力を維持する上で重要な要素です)、当行がその年の貸出コミットメントに見合うだけの十分な資金を確実に調達できるようにすることです。プログラムの規模を決定するカギとなるのは、当行のALM(資産負債管理)方針です。この方針では、国際資本市場から資金調達ができないという実現の可能性の低いシナリオの下でも、1年間の期間で推定されるネットキャッシュフローの必要額を賄うに十分な流動性を備えることが義務付けられています。
2016年の借入プログラム
当行では以下の目的を達成するため、2016年に債券市場から61億9,200万UA(85億米ドル)の借り入れと、さらに「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSAイニシアティブ)」のもと2億1,400万UA(3億米ドル)相当の借り入れを予定しています。
- 当行の流動性方針を遵守しつつ業務上のキャッシュフローニーズを満たす
- 域内加盟国の開発プロジェクトやプログラムへの融資においてコスト効率の良い資金を提供する
最近、2016年の借入額を最大89億UAに引き上げるべく、借入プログラムの文書の改訂版が承認のために理事会へ提出されました。借入額は、2015年12月15日に理事会承認を受けた62億UAから87億UAへ増加し、資本市場より調達します。「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSAイニシアティブ)」については、借入額を変更する提案はなされていません。
当行では2016年9月28日現在、バラエティに富む市場、通貨、資産の資本市場より50億1,700万UAを調達し、これは承認済みの借入プログラム額の81%に相当します。