
借入戦略
アフリカ開発銀行の資本市場活動クイックガイド
アフリカ開発銀行は、アフリカ随一の開発金融機関です。1964年に設立され、現在の加盟国は、アフリカ大陸の全54ヵ国とアフリカ以外の27ヵ国の計81ヵ国に達しています。国際的な格付け機関からは最高格付けのトリプルAを付与されています。アフリカ開発銀行のトリプルA格付けは、当行を格付けする4つの主要国際格付け機関により安定的見通しであると確認されています。当行は厳しい国際的・地域的経済状況の下で健全な財務状態を保ってきました。
当行は、アフリカ諸国の開発ニーズに対応するため、資本市場において積極的な借り入れを行っています。機動的かつ柔軟であることは、資本市場における借り手としての当行の活動の優れた特徴と言えるでしょう。当行が発行する債券のリスク・ウェイトはゼロパーセントです。また、普通債や仕組債から、コマーシャルペーパー、公募債、私募債、グローバル債やアフリカ諸国の通貨建て債券、日本の投資家層の要望に応じた売出債やテーマ型債まで、幅広い種類の金融商品に対応しています。
背景

アフリカ開発銀行の借入プログラムは毎年理事会の承認を受けており、その年の事業計画を実行するために資本市場からの調達が必要な額を定めています。そして、当行の資産・負債管理のガイドライン、方針、負債限度額、調達戦略の枠組の中でプログラムが実行されます。プログラムの主な目的は、資金調達コストを最小限に抑えながら(これは、当行の貸付業務において競争力を維持する上で重要な要素です)、当行がその年の貸出コミットメントに見合うだけの十分な資金を確実に調達できるようにすることです。プログラムの規模を決定するカギとなるのは、当行のALM(資産負債管理)方針です。この方針では、国際資本市場から資金調達ができないという実現の可能性の低いシナリオの下でも、1年間の期間で推定されるネットキャッシュフローの必要額を賄うに十分な流動性を備えることが義務付けられています。
当行は2024年において、中長期債で合計UA 48億5,000万を調達し、UA 32億6,000万を返済しました。その結果、純キャッシュ流入はUA 15億9,000万となりました。調達資金は貸付業務の資金源および流動性要件の充足に充てられました。
借入ポートフォリオの残高は、2023年12月31日時点のUA 247億8,000万から、2024年12月31日時点でUA 264億に増加し、UA 16億2,000万の増加となりました。
2024年に当行が実施した全資金調達取引のうち、84%以上(合計でUA 40億に相当)がESGラベル付きであり、その内訳はグリーンボンドが17%、ソーシャルボンドが78%、High 5テーマボンドが5%を占めました。これにより、アフリカ開発銀行は発行額ベースで他の国際開発金融機関(MDB)の中でも最大のソーシャルボンド発行体となりました。これらの発行は、気候変動に配慮した低炭素型投資や、明確かつ顕著な社会的成果をもたらすプロジェクトを引き続き支援する上で、重要な役割を果たしています。