TICAD８プレ・イベント：「日本とアフリカで輝く女性起業家交流会」の開催（結果概要）

2022/6/30

アフリカにおいて、女性は起業やビジネスの拡大において独自の課題に直面しています。

アフリカ開発銀行（AfDB）アジア代表事務所は、国連開発計画（UNDP）及びアフリカ連合開発庁－アフリカ開発のための新パートナーシップ計画調整庁（AUDA-NEPAD）と共に、経済同友会の後援を得て、第8回アフリカ開発会議(TICAD8)のプレ・イベントとして「日本とアフリカで輝く女性起業家交流会」を開催しました。

このシンポジウムは2022年5月27日に開催され、日本とアフリカからそれぞれ３名の女性起業家が、起業の経緯、ビジネス成功の秘訣、困難の克服方法について、互いの経験や意見を共有しました。未来の女性起業家がアフリカにおけるビジネスに果敢に挑戦することを後押しする目的のセッションを行うことにより、250名以上に視聴いただき、ネットワークの構築に寄与しました。

開会挨拶において、AfDBアジア代表事務所の花尻卓所長は、AfDBの女性起業家支援ツールに言及し、アデシナ総裁やAfDBの女性上級幹部から女性起業家を鼓舞する力強いメッセージが寄せられたことを紹介しました。メッセージでは、女性のエンパワーメントを真に達成するためには、金融及びテクニカルなサービス等の生産的なリソースへのアクセスと、そのようなリソースや収益の管理、個人の能力、自信、意思決定力といった女性の潜在を必要があることを指摘しています。

セッションのモデレーターを務めたAUDA-NEPAD CEO特別アドバイザーの池亀美枝子氏は、このシンポジウムがアフリカと日本の女性起業家にとって、経験を共有し、ネットワークを構築し、互いに学び合うまたとない機会であると述べました。

食品・農業、ファッション、デジタル／グリーンの３つのセッションでは、日本及びアフリカで活躍する女性起業家がそれぞれ一人ずつ登壇し、それぞれの起業のきっかけや、事業の特徴、困難の克服方法についてプレゼンテーションとディスカッションを行いました。６人の起業家は、女性の起業の機会は、現地の行政、エスニシティ、家父長制等の社会的構造のために複雑化しており、ビジネスネットワークの拡大やビジネスに関する適切な指導者を得ることが難しいという状況を指摘しました。セッションの最後に、池亀氏は、このような交流は一過性のイベントに終わらせることなく、持続可能な形で継続するべきと強調しました。

コメンテーターとして登壇した当行のジェンダー・女性・市民社会局のネーマ・フェレイラ首席事業開発官は、女性起業家がビジネスネットワークを広げ、事業拡大のために金融及び非金融サービス情報にアクセスする能力を高めるため、2019年に設置されたオンラインプラットフォームである「50 Million African Women Speak Platform (50MWASP)」を紹介しました。

UNDPのアフナ・エザコンワ総裁補兼アフリカ局長は、資金、技術、スキルのギャップを埋めることにより、アフリカの女性起業家を含む起業家に機会を提供するためにUNDPは「Timbuktoo」イニシアティブを立ち上げる準備をしていると説明しました。このイニシアティブにより10億ドルのスタートアップ向け資金を調達し、アフリカ大陸自由貿易圏におけるイノベーションに必要な条件について各国政府と共に取り組んでいることを紹介し、「日本政府と経済同友会、アフリカ開発銀行、AUDA-NEPAD、日本企業を含むすべてのパートナーがTimbuktooを支援し、女性起業家の必要性と機会を主張し、官民パートナーシップ、共同投資、企業間ネットワーキングのプラットフォームとしてTICAD8を活用することを期待しています」と述べました。

登壇者によるプレゼンテーション資料は、下記からダウンロードいただくことができます。